【政治】安倍首相、外国人材の活用「移民受け入れは慎重であるべき」「優秀な人材を呼び込むことが大切」 [6/24]

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2014/6/22付 日本経済新聞 朝刊
(創論)外国人労働力どう活用
就業者確保の視点重要 自民党政調会長代理 塩崎恭久氏
ttp://www.nikkei.com/article/DGKDZO73122280R20C14A6TY6000/
 ――厚生労働省は外国人が帰国せず、日本人の雇用を圧迫する可能性を懸念します。
 「14年度から40年度にかけての約30年間で年平均2%の実質成長率を続けるため、必要な労働生産性
上昇率(年平均)と就業者増加数の組み合わせを表にまとめた。まずは自然体で、労働力率が現状から
横ばいで推移すると仮定すると就業者数は1400万人減る。すると2・9%の生産性上昇率が必要だ。生産性
上昇率は成長率が年平均2・1%だった13年度までの約30年間でも1・7%だから、2・9%はあり得ない高さだ」
 「14〜40年度の労働生産性上昇率が1・7%のままならば、この約30年間に就業者数を600万人増やさないと
2%成長を続けられない。自然体ケースより就業者数は2000万人膨らむ。これだけの働き手はどこにいるのか。
移民や外国人労働者はだめだとか、いろいろ言うのは勝手だが、成長率は生産性上昇率と就業者の増減数で
決まる。どういった組み合わせでいくのかを考えるべきだ」
 ――内閣府資料では年20万人の移民受け入れで1億1千万人の人口を維持できます。
 「いきなり移民受け入れとは言わないで。一番に取り組むのは生産性の向上だ。・・・(略)・・・」
          (中略)
 ――多くの外国人を招いて定住してもらう方がよいと考えているように聞こえます。
 「それは国民が選択することだ。われわれはそんなことを言わない。ただ、高度人材の外国人がやってくる
ことについてはだれも文句を言わない。そのためには企業も大学も変わらないといけない」

安易な導入 変革の妨げ 慶応義塾大学教授 中島隆信氏
ttp://www.nikkei.com/article/DGKDZO73122560R20C14A6TY6000/
 「・・・(略)・・・日本に来た外国人が子供を産めば保育士が、年をとれば介護福祉士が必要になる。すると
また外国人を入れるのか。きりがない。出生率の向上が欠かせない」
          (中略)
 「日本人が就業しない特定の職種に外国人を入れるというのはいかがなものか。経済学の観点で人手不足
は悪いことばかりでない。労働力が足りない職種では賃金が上がり労働条件が改善される。コスト増にになる
企業は付加価値を高める努力をして労働生産性を上げる。・・・(略)・・・」
 「日本ではバブル崩壊後の20年ほど、デフレで賃金が抑制されてきた。それで生きながらえた企業もある。
安倍晋三政権の経済政策でデフレが解消すれば、こうした会社は市場からの退場や、生産性の向上を迫られ
る。だが、そこに低賃金の外国人が労働力として入ってくれば、高賃金の労働力をうまく使って付加価値の高い
サービスを提供するビジネスモデルへの構造転換が実現できる好機を逃す」
 ――景気が悪くなると別の問題も起きそうです。
 「失業率が上がっても外国人が働いている姿を見た日本人は『なぜ日本人を雇わないのか』と不満を示すかも
しれない。そうして職場から閉め出された外国人の一部は悪いことをする可能性がある。すると外国人の評判が
落ちる。悪循環だ。従来は外国人労働者を積極的に受け入れていたシンガポールでも最近、受け入れ制限を
求める世論が高まり、外国人街では暴動騒ぎが起きた。5月の欧州議会選では移民排斥などを主張する欧州
連合(EU)懐疑派と呼ばれる勢力が支持を広げた」

〈聞き手から〉地域支える現状認識を
ttp://www.nikkei.com/article/DGKDZO73122640R20C14A6TY6000/
 両氏の話はこうした問いへの回答を含むが、なお釈然としない部分が残る。既成事実を積み重ね、後戻り
できない段階で制度化するつもりならば危険だ。外国人の問題は複雑。先行する諸外国では地域社会との
摩擦が起き、社会的費用が膨らむ一因になっている。
(編集委員 加賀谷和樹)