http://president.jp/articles/-/12691 始業時間、朝イチの仕事、打ち合わせ、スキマ時間、休日の過ごし方……。
時間の使い方に関する年収別の徹底調査で「稼ぐ人」と「残念な人」との決定的な違いが見えてきた。
調査概要/楽天リサーチの協力を得て、インターネットを通じて
1000人のビジネスマンより回答を得た。調査期間は2012年11月22〜26日。
誰にとっても1日は24時間、1週間は7日だ。ただ、与えられた時間の長さは同じでも、その使い方は人によって異なるはずだ。
そこで今回、年収500万円台、年収800万円台、年収2000万円以上の3つの年収層計1000人に対して
アンケート調査を実施し、時間に対する意識や実際の行動について該当するものを選んでもらった。
各年収層がどのような時間の使い方をしているのか、さっそくチェックしていこう。
http://president.jp/mwimgs/f/3/-/img_f3b03a9c81ea940f502d0760100c1f5477034.jpg 【図1、2】
まずは朝の過ごし方だ。「始業時間より1時間以上早く出社」と回答した人(「あてはまる」「まああてはまる」と回答した人)
の割合は、年収2000万円以上で30.9%に達し、他の年収層を上回った(図1)。
年収2000万円以上は社長・取締役が半数以上を占めるが(円グラフ参照)、出勤時間が自由になる役員層ほど、むしろ朝早く出勤している。
出社後の行動も興味深い。「朝一番にやるルーティンの仕事がある」と回答した人は
年収500万円台が45.6%、800万円台が48.3%、2000万円以上が54.6%で、年収が高い層ほど朝やるべき仕事を習慣化していた(図2)。
レバレッジコンサルティング代表取締役兼CEOの本田直之氏は、この結果を次のように分析する。
「人間は基本的に意志が弱い生き物です。何も決めずに机に向かうと、『モチベーションが上がらないから後でやろう』などと考えて、
仕事が進まなくなります。仕事のできる人はそのことに自覚的で、『意志が弱くても仕事を進めるには、
どのような仕組みが必要か』と考えます。その仕組みの1つが、朝の仕事のルーティン化なのでしょう」
http://president.jp/mwimgs/2/1/250/img_218902e3e97cc3826edc12c504e5f8af94201.jpg 【図3〜図6】
時間管理についての質問で注目したいのは、年収800万円台だ。「打ち合わせなどに翻弄されて、やるべきことが後回しになりがち」
と回答した人が最多だったのは、800万円台の29.1%(図3)。「重要な仕事に集中するときは電話に出ないなど、ルールを決めている」
が最少だったのも、800万円台で14.1%(図4)。800万円台の多くは中間管理職だが、これらの結果からは、
上司や部下に何かと邪魔されて自分のペースで仕事ができない中間管理職の辛さが浮かび上がってくる。
仕事上のコミュニケーションはどうか。「打ち合わせはすべてメールで済ませている」と回答した人はどの年収層も少なく(図5)、
メールと対面を使い分けながらやりとりをしている人が多いようだ。
メールの書き方については、年収層で差が出た。「メールの返信は時間をかけて丁寧に書く」と回答した人は、
800万円台が最多で30.6%(図6)。本田氏は「長文メールを書く人で仕事ができる人を見たことがない」と言う。
「長いメールは、書いている自分だけでなく、読んでいる相手の時間を奪うことにもなります。
そこに気づかずに長文メールを書く人は、全体が見渡せていない証拠でしょう」
http://president.jp/mwimgs/1/b/-/img_1b31fb3c007e34f09f1be2dadfdc6c4092842.jpg 【図7〜図10】
仕事に追われるとおろそかになりがちなのが勉強だ。「継続して勉強していることがある」と回答した人は
年収2000万円以上で42.6%(図7)、「読書の時間を確保している」と答えた人は2000万円以上で38.7%(図8)と、
どちらも年収が高い人ほど勉強熱心という傾向が出た。本田氏は勉強しないビジネスパーソンについて、次のように苦言を呈す。
「プロスポーツで、練習をせずに試合だけ出る選手はいません。ビジネスでいうと普段の仕事が本番で、
勉強が練習。勉強しないのは練習をサボるのと同じで、能力の向上は難しいのでは」
忙しいことは言い訳にならない。仕事に関係ないインターネットやSNSをしている時間を尋ねたところ、
「1時間以上」と答えた年収500万円台は60.2%で、軽く過半数を超えた(図9)。
また、「時間のムダと思いながらもやめられない悪癖がある」と答えた人は年収が低いほど多く、500万円台で65.9%に達した(図10)。
時間がないというのは思い込み。普段の生活を見直せば、今以上に時間は捻出できる余地があるはずだ。