【海外/西アフリカ】エボラ出血熱の死者350人に、「前例ない流行、制御不能」

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(CNN) 西アフリカでエボラ出血熱の感染が拡大している問題で、現地で治療に当たっている
国際医療支援団体の「国境なき医師団」は、流行が前例のない勢いで広がり、制御できない
状況に陥ったと発表した。
世界保健機関(WHO)の最新の統計によると、流行が始まった3月以降に確認された患者は
567人で、死者は350人に上る。
過去のエボラ出血熱の流行は、都市から離れた地方部にとどまり、拡大を食い止めやすいの
が普通だった。しかし今回は状況が異なり、ギニア、シエラレオネ、リベリアの60カ所で患者が
確認されているという。
原因の一端は、最初にウイルスが見つかった地点が、ギニアの首都コナクリなどの都市部に
近いジャングルだったことにあるとみられる。コナクリの人口は200万人で、国際空港もある。
エボラ出血熱には2〜21日の潜伏期間があるため、感染者が気づかないまま渡航している
可能性もある。
エボラ出血熱は、感染すると頭痛や発熱など風邪のような初期症状が出て、やがて激しい
下痢や嘔吐(おうと)に見舞われ、血液が凝固できなくなって体内や体外で出血する。多くは
平均10日で死に至る。
現時点で現地入りして治療に当たっている援助団体は国境なき医師団のみ。3月の発生以来、
300人以上を派遣し、40トンあまりの物資を送り込んできた。しかしそうした対策は既に限界に達し、
「もはや新たな流行が発生した場所にチームを派遣できなくなった」と説明。流行を食い止める
ためには、地元政府や支援団体などの大規模な動員が必要だと呼びかけている。
WHOは7月2〜3日に衛生当局による高官級協議を開き、現地への物資輸送や専門家の派遣
について話し合う。エボラウイルスのワクチンや治療法は存在しない。しかし初期段階で手当てを
受ければ命を落とさずに済むこともある。致死率は通常90%に達するが、今回の場合は60%
程度にとどまっている。ウイルスに感染しても、発症していなければ他人に感染させる恐れはない
とされる。衛生当局などは住民に対し、かぜのような症状が出た場合は地元の医師や国境なき
医師団の診察を受けるよう促している。
http://www.cnn.co.jp/world/35049821-2.html