「一体だれが説明するのか…」行使容認の公明、支持者説得に苦悶
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140616/stt14061616000002-n1.htm 産経新聞(岡田浩明) 2014.6.16 16:00
集団的自衛権の行使容認にかじを切った公明党が、党所属地方議員や支持母
体、創価学会員らに対し、どう説得するか苦悶(くもん)している。14日に
は安倍晋三首相が戦闘下の海上交通路(シーレーン)の機雷掃海も可能にした
いとの考えを示し、党内に動揺が広がった。17日の与党協議では機雷掃海を
行使容認の範囲内とするか綱引きが予想される。
14日、大阪市内で公明党大阪府本部の議員総会が報道陣に非公開で開催さ
れた。来春の統一地方選に向けて結束を確認するために集まった地方議員らに
対し、府本部顧問でもある北側一雄副代表は新3要件について説明した。
「協議中で、結論が出た話ではありません。決まればまた説明します」
出席者によると、経過も含め説明にかけた時間は約30分間。質疑はなかっ
たが、会場には釈然としない表情を浮かべる人もおり、「『どうなっているの
か、よく分からない』といった雰囲気だった」という。
13日の安保法制に関する党内協議直後、「支持者への説明」に不安を抱く
ある若手議員が、北側氏に与党協議の進捗(しんちょく)状況について確認を
迫った。北側氏は「デリケートな問題だから」とその場を取り繕ったが、この
若手議員は「報道が先行しているが、まだ決まったわけではなく『協議中』と
いうことを確認したかった」と打ち明ける。
公明党執行部が支持者に説明する理屈として重視しているのは、新3要件は
あくまでも「自国の防衛」のためにあるという視点だ。
新3要件には「他国に対する武力攻撃が発生し…」という集団的自衛権の行
使を容認する根拠となる部分があるが、その文言に続く「国民の生命、自由お
よび幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがある」の部分は「個別的自衛
権の思想も入っており、『日本国民を守るため』と説明できる」(党幹部)と
いう。
ただ、そんな矢先に首相が機雷掃海も可能にしたいと発言し、15日には自
民党の石破茂幹事長が神戸市内で、閣議決定の時期について「今国会中に全力
を挙げる」と表明した。
公明党は機雷掃海に難色を示しており、党幹部は「新3要件は示されたばか
りだ。どの事例が可能になるかはこれからの話だ」と首相らの発言に強い不快
感を示した。別の党幹部はこう嘆いた。
「一体、誰が支持者を説得するのか…」