http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/images/PK2014062002100049_size0.jpg ビッグデータ 匿名なら同意なしで提供 取り扱い大綱案
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014062002000127.html 政府のIT総合戦略本部の検討会は十九日、インターネット上などに蓄積されている個人関連データの取り扱いルールを定めた大綱案をまとめた。
商品の購買履歴など一部のデータは、本人の同意がなくても匿名化を条件に外部への提供を認めることを明記した。
個人情報を保護するため、企業の不正利用を監視する第三者機関の設置も盛り込んだ。
政府は来週に大綱を正式決定し、個人情報保護法の改正案を来年の通常国会に提出する。ネットの閲覧履歴など「ビッグデータ」と呼ばれる膨大な情報を有効活用することで、
ビジネスチャンスを広げる狙いがある。
ただ、プライバシーをきちんと保護できるかどうかなど、慎重な対応を求める声も上がりそうだ。
現行法は、氏名や住所といった個人の特定につながる情報に関し、企業が第三者に提供したり目的外で利用したりする場合は本人の同意を義務付けている。
IT技術の進展に伴い、現行法で想定していなかった種類の個人関連データやその活用法が広がっており、ルールを明確化する必要性が指摘されていた。
大綱案は、購買やネットの履歴のほか、スマートフォンで把握できる位置情報などは、個人が特定されないようにデータを加工すれば本人の同意がなくても第三者に提供できるとした。
一方、人種や信条といった機微に触れる情報は、第三者への提供禁止を含め、慎重な取り扱いを求めた。
指紋や顔の認識データなど個人の身体的特徴に関する情報は現時点で結論を出さず、扱いを引き続き検討する。
また、企業への指導や立ち入り検査の権限を持つ第三者機関を新設し、監督を強化する仕組みづくりを提案した。
<ビッグデータ> パソコンやスマートフォンなどの電子機器から発信され、インターネット上などに蓄積された膨大な情報。
こうしたデータを分析すれば、人々の関心や好みが把握できるとされ、多くの企業が商品やサービスの開発に利用している。米国では選挙戦術にも活用されている。
周辺産業を含めた国内の市場規模は、2015年度に1兆円を超えるとの試算もある。