民主党の海江田万里代表が、いよいよピンチに立たされている。その存在感の薄さから来年9月末の任期満了を待たず、
今年夏にも代表選を前倒しするよう求める意見が党内から相次いでいるのだ。新しい党の顔として候補に挙がるのは岡田克也前副総理だ。
また“お家芸”である党内抗争が始まるのか。
「岡田さんと一緒にご飯を食べませんか」
最近、複数の民主党議員が、蓮舫元行政刷新相から、こう声をかけられている。蓮舫氏は野田佳彦前首相のグループ「花斉会」のメンバーだ。
民主党重鎮は「野田氏は首相時代、議員の先輩ながら、副総理として支えてくれた岡田氏に恩義を感じている。
『岡田氏を次期代表に』で動いている」と解説する。野田氏が他党幹部と会談する際も、岡田氏を引き合わせているという。
玄葉光一郎前外相や安住淳元財務相らが13日夜に都内で開いた会合でも、
海江田氏の辞任を求め、後任に岡田氏を担ぐべきとの声が挙がった。
政治評論家の小林吉弥氏は「海江田氏の存在感の薄さはどうしようもない。
続投すれば、来年春の統一地方選は惨敗する」と指摘したうえで、こう続ける。
「海江田氏の後任に、前原誠司元外相や細野豪志前環境相では党内がまとまらない。前々から『岡田氏がいい』という意見は一貫してある」
これに対し、海江田氏は昨年7月の参院選で惨敗後、「1年後までに党再建が進まなかった場合には退任する」と明言した。
ところが、青森県八戸市内で18日、「代表に就任してから1日たりとも、もう辞めようと思ったことはない」と語り、続投に意欲を示した。
海江田氏も問題ありだが、代表を支える党の態勢も心許ない。ナンバー2の大畠章宏幹事長は、周囲に「もう疲れた。幹事長を辞めたい」と漏らしているとされる。
4月30日には、今年夏にも海江田氏が進退を判断するかを問われ、「もちろん、そのタイミングはあると思う」と述べ、代表選前倒しの可能性に言及した。
「岡田新代表」がありそうな雰囲気だが、前出の小林氏は「(岡田氏は代表経験があり)新鮮味がなく、支持率回復につながらない」とも語る。
「誰が代表になっても支持率回復は難しい」(党中堅)なか、コップの中の権力闘争を繰り広げるとすれば、国民の期待を裏切った政権時代と大して変わらない。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140521/plt1405211537004-n1.htm