加速する3Dプリンタ悪用犯罪の数々!! 拳銃、スキミング…便利と危険は表裏一体!
http://tocana.jp/2014/05/post_4094_entry.html 今月8日、3Dプリンターを用いて拳銃を作成していたとして、湘南工科大学職員の居村佳知(いむらよしとも)容疑者(27)が神奈川県警に逮捕された。
ガンマニアである居村容疑者は、インターネットを通じて海外サイトから設計図をダウンロードしたとみられ、自作した拳銃は、
厚さ2.5mmのベニヤ板10枚を貫通するほどの威力を持っていたと伝えられている。
3Dプリンターが「新たな産業革命を起こす」としてニュースを賑わすようになって久しいが、人々の生活がより便利で豊かになるという面だけでなく、
社会の犯罪事情すら一変させる可能性があるという点も、
今後より一層クローズアップされるようになるだろう。3Dプリンターが犯罪行為やその捜査活動に与えるインパクトについては、
「銃器の自作」以外にも様々なものが指摘されている。そこで今回は、それらの中から代表的なものを紹介しよう。
3DプリンターとCAD(コンピュータ支援設計)システムを用いることにより、
カード情報を盗み出す高度なスキミング装置が、簡単に量産できるようになる可能性があるという。
実際、中国には犯罪グループの工場が存在しており、そこで生産された装置がすでに闇で流通しているとも伝えられている。
また豪州では、3Dプリンターで作られたスキミング装置がATMに仕掛けられるという事件も発生し、逮捕者が出ている。
3Dプリンターの普及は、もはやモノによる個人識別が何の意味もなさない時代の到来を示しているのかもしれない。
米国シュレイジ社が開発した、高い防犯性能を誇る鍵「プリマス」。高度な技術によって生産され、政府期間や拘置所でも利用されるこの鍵。
「複製することは不可能」とメーカーは自信を持っていたが、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生たちが、3Dプリンターを用いてそれをやってのけた。
MITの学生たちは、独自に開発したソフトウェアと、高出力3Dプリンターサービスを利用して複製に成功したと報じられている。しかもナイロン素材であれば、
かかった費用はわずか500円程度だったという。 従来からある金属製の鍵も、カードキーも安全ではなくなってしまうとすると、
今後は生体認証などによる防犯システムを導入する必要がありそうだ。さて、犯罪者が喜びそうな話ばかりが続いたが、3Dプリンターは犯罪を捜査する側にも大きなメリットをもたらすという。
2000年末、日本中に衝撃を与えた「世田谷一家殺害事件」。事件発生からすでに13年以上が経つが、未だに犯人は捕まっていない。
最近は、当時の現場を知る捜査官がほとんどいなくなってしまった点が問題視されていた。しかし昨年12月、警視庁は被害者宅を3Dプリンターで再現した
模型を製作して公開した。今後、石膏製の再現模型は、新しく加わる捜査官への事件の説明や、周辺住民の記憶を喚起するために用いられるという。
他にも犯罪捜査の現場では、被害者の頭蓋骨を復元し、凶器の形状と照合するなどの目的で、すでに3Dプリンターが用いられている。
さらに警視庁は、裁判員に犯罪現場などを説明するため、公判の場において3Dプリンターを積極的に活用することを検討しているとも伝えられている。
従来用いられていた平面図や写真よりも、裁判員が事件現場をイメージしやすくする狙いがあるという。
革新的な技術には負の側面が常につきまとう。結局のところ、それをどう活かすのかという問題が、個人と社会に突きつけられているとも言えそうだ。
いずれにしても、これから3Dプリンターがさらに普及するに従い、広がりを見せるであろう新たな課題に対して、早めの対策が必要であるということは間違いなさそうだ。
(モンペ・アザブジュバーン)