韓国・珍島沖の旅客船沈没事故は、政府の未確認情報が混乱を招いただけでなく、韓国メディアの誤報も相次いだ。23日には
ソウルで韓国記者協会主催の討論会があり、市民団体代表が「韓国ジャーナリズムの水準がそのまま現れた」と厳しく批判した。
韓国の夕刊紙、文化日報は発生当日の16日、京畿道教育庁が流した「高校生全員救出」との未確認情報をそのまま載せ、翌日に
謝罪文を掲載。その後も複数のメディアが「船体への酸素注入開始」「船内で遺体多数確認」などと誤報を連発し、捜索を見守る
家族らの神経を逆なでした。
MBNテレビは民間潜水士の「船内に生存者がいたと仲間に聞いた」との証言を放送したが、取材相手は潜水士になりすました
人物で、証言もうそだった。パニック状態の家族にカメラを向けたり、救出された高校生に「友達は亡くなったが」とコメントを求めたりと、
無神経な取材への批判も強まっている。
討論会では、テレビ局記者が「放送局は災害報道をショーのように扱い、ネット媒体はクリック競争に走った」と実態を指摘した。
メディア側はマスコミ不信の広がりに危機感を強めており、23日の中央日報は「船長に乗客を守る義務があるならば、記者には信頼
を守る義務がある」と自らを戒めた。
ソース(西日本新聞・社会面)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/84079