1993年にカンボジアの国連平和維持活動(PKO)で殉職した
岡山県警の高田晴行警視=当時(33)=の遺族らが寄付を募り、
同国に建設していた小学校が完成した。現地で30日にある贈呈式には、
母幸子さん(81)=倉敷市=らが出席。将来を担う子どもたちに、
同国の発展を願いながら志半ばで倒れた警視の思いを伝える。
オッドーミアンチェイ州の殉職現場近くに建てられた校舎は「高田晴行スクール」と名付けられ、
鉄筋れんが造り平屋(約150平方メートル)で3教室を備える。そばには姉国府和子さん(59)
=総社市=が「御魂(みたま)よ安らかに」と揮ごうした慰霊碑(高さ2・5メートル)も立つ。
小学校建設は、2011年に初めて現場を訪れた幸子さんと国府さんが、
朽ちた木造の校舎を見て、警視の志を形に残そうと発案した。没後20年の13年5月から、
東京のNPO法人「JHP・学校をつくる会」と募金活動を進めた。
同会によると同年7月に着工し、治安悪化で一時工事が中断したものの、
今年2月中旬に完成。既に約50人の児童が学んでいるという。
贈呈式には幸子さんと国府さんのほか、同会代表理事で脚本家の小山内美江子さん、
同国教育省や州関係者、児童、住民ら計200人以上が出席予定。
高田警視の人柄やカンボジアへの思いを遺族がまとめたリーフレット(A4判4ページ)も贈られる。
3月末までの寄付額は約853万円に上っており、幸子さんは「多くの善意に心から感謝している。
新校舎とそこで学ぶ子供たちに早く会いたい。この学校が懸け橋となり、
両国の友好が進むことを願う」と話している。
高田警視は文民警察官としてカンボジアで選挙監視などに当たっていたが、
93年5月4日に同国北西部で武装集団に襲われて亡くなった。
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