バッテリー放置で水銀汚染か 気象庁が無人観測所調査
http://www.asahi.com/articles/ASG4P6DSJG4PPIHB03T.html?iref=comtop_6_04 朝日新聞 赤井陽介 2014年4月22日17時13分
全国の地方気象台の無人観測所で30年以上前まで使われていたバッテリー
が放置されている恐れがあるとして、気象庁が各地の気象台を通じて約300
カ所の現地調査を進めていることがわかった。放置されたバッテリーが兵庫県
内で大量に見つかり、水銀による土壌汚染が発覚したためだ。
気象庁によると、問題のバッテリーは山中の無人観測所で雨量データなどを
自動計測するための電源として、1950年代から80年代にかけて使われた
。このバッテリーを使った無人観測所は全国に約300カ所あったが、現在は
原則稼働していないという。
昨年10月、神戸地方気象台が住民の通報を受けて兵庫県市川町の観測所の
跡地を調べたところ、敷地周辺の地上や地中から68個のバッテリーが見つか
った。周囲の土壌に水を加えて検査したところ、最大で国の基準の30倍を超
える水銀が検出されたという。
気象台によると、現地から取水場所までは10キロ以上離れており、水道水
の水質調査では水銀は検出されていないという。今後、汚染土壌を入れ替える
という。
バッテリーの重さは一つ2〜3キロ。市川町の観測所では6〜7個をセット
で使うことが多く、年1回程度のバッテリー交換の際、職員が山中から持ち帰
るのを怠り、放置した可能性があるという。バッテリーは約30年前に軽量タ
イプのものに換わったという。
気象庁は同様の放置がないかどうか、全国の気象台に観測所の跡地を調べる
よう指示した。(赤井陽介)