【話題】将棋電王戦と「機械的失業」と棋譜の著作権

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(前略)
「機械的失業」が将棋界を襲うのか

 さて、こうしたビッグデータ解析などを駆使してコンピュータが人間の牙城を脅かす領域は、確実に増えている。
チェスでは1997年、IBMの「ディープブルー」に当時の世界チャンピオンが敗れて以来、もはや人間は市販のチェスソフトにも勝てない状況だ。
証券トレーダーもコンピュータ解析にとって代わられ、次々と失業しているという。
コンピュータに東大を受験させようという国立情報学研究所のプロジェクトまであり、至るところでコンピュータは人間の知的作業に進出しつつある。

 そこで浮んでくる関心は、「機械的失業」「デジタル失業」は将棋にも及ぶのか、である。

 機械的失業は、かつてレコードやジュークボックスが普及して演奏家の仕事の機会が奪われた際などに登場した言葉。
無声映画時代に何千人といた活動弁士(活弁)が、トーキーになって一斉に失職したのもその一種かもしれない。
19世紀以降デジタル化の今日まで、あらゆるジャンルで指摘され続けている事態だ。

 現代に残った数少ない活弁にして将棋ファンである山崎バニラ氏は、自ら前ほどプロ棋士の対戦に興味が持てなくなった、と告白した上で、
「プロ棋士が10人しか生き残れない未来」について言及している。将棋界の収入を支えるのは人類最強の頭脳達の対戦を楽しみにし、教室に習いに来る全国の将棋ファン達だろう。
彼らが棋戦に以前ほど興味を持たなくなったり、教室に通う代わりに将棋ソフトで済ませるようになったらどうなるか。
 「電王戦は勉強になった」という表面の言葉とは裏腹に、トップ棋士たちの内心の危機意識は深刻なのかも、しれない。(そして、これは弁護士など他の専門職にも通じる問題だ。)

著作権による棋譜の囲い込み?

 これまで、将棋界は将棋ソフト側の対戦要望に真摯に勇気をもって応えて来たと思う。しかし、高まる警戒心から将棋連盟が防衛に入るとしたらどうだろう。
といっても、今さら対戦を拒んでも、もう逃げているようにしか見えないだろう。またコンピュータに賢くなるなとも言えない。となると、考えられるのは棋譜の分析を止めることだ。

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/fukui/20140418_644307.html