★通信傍受の対象拡大を議論 法制審、一定程度容認か
2014年2月22日08時33分
犯罪摘発のための通信傍受(盗聴)が許される対象を広げる案が21日、法制審議会
(法相の諮問機関)の部会で議論された。対象の大幅拡大には、弁護士の委員を中心に
「市民のプライバシーまで侵害される恐れがある」との批判が根強いが、振り込め詐欺
など社会問題化している事件に広げるのに強硬な反対論はなく、対象を一定程度広げる
方向で議論が進みそうだ。
大阪地検特捜部の不祥事を機に設けられた「新時代の刑事司法制度特別部会」がこの日開かれ、
部会事務局の法務省が示した対象拡大案が議論された。現在、傍受が可能なのは薬物、
銃器犯罪、組織的殺人、集団密航の4種類の犯罪だが、これに殺人や放火、窃盗、傷害、
逮捕監禁、詐欺などを加える案だ。
種谷良二・警視庁副総監は「日本は世界から『児童ポルノ天国』と言われている」と述べ、
児童ポルノ関連の事件も加えるよう訴えた。神(じん)洋明弁護士(第一東京弁護士会)は
「加えるのは振り込め詐欺や窃盗団の事件にとどめ、それ以外を加えることは反対」とし、
「対象を広げる場合も、『組織による犯行』に限定すべきだ」と主張した。
対象の幅についての議論は今春以降も続く。法案として国会に提出されるのは来年以降の
見通しだ。(西山貴章)
http://www.asahi.com/articles/ASG2M5TK0G2MUTIL043.html