★劇症肝炎訴訟、国と初の和解 福岡地裁
2014年2月10日14時10分
予防接種で注射器を使い回したことによりB型肝炎になった人が、国に損害賠償を求めた
九州訴訟で、劇症肝炎患者との和解が10日、福岡地裁(永井裕之裁判長)で成立した。
劇症肝炎は、和解の根拠となる救済特別措置法の対象になっておらず、原告弁護団によると、
和解は全国初。国は重度の肝硬変と同じ3600万円を支払う。
患者は佐賀県在住の会社員山野康則さん(55)。6歳までの予防接種で、感染しているが
発症しない「持続感染者」(キャリアー)になり、2005年9月に劇症肝炎を発症。
翌月に妻から生体肝移植を受けた。現在は臓器の拒絶反応を抑える薬を飲み、仕事も制限している。
国と患者らとの基本合意によりできた特措法は、6カ月以上の症状が出ている慢性肝炎、
肝硬変や肝がんなどが和解の対象とされ、発症後急に悪化する劇症肝炎は対象に入っていない。
男性は10年11月に提訴したが、国側は劇症肝炎は対象外だとして、キャリアーとしての
和解しかできないとしてきた。今回は特措法ではなく、基本合意に準じた個別和解が成立。
弁護団は「極めて異例」と話している。
http://www.asahi.com/articles/ASG2B34FWG2BTIPE119.html