日本華字紙・中文導報(電子版)は「フードテロから見る日本の安全神話崩壊」と
題した論説を掲載した。
群馬県警は25日、偽計業務妨害の疑いで、マルハニチロホールディングスの
子会社アクリフーズ群馬工場の契約社員、阿部利樹容疑者(49)を逮捕した。
逮捕容疑は、昨年10月3〜7日ごろ、工場内で4回にわたって冷凍食品に農薬のマラチオンを
混入し、業務を妨害した疑い。
阿部容疑者の動機や実行手段、社会に与えた影響から思い出されるのが、2007年に
日中間で発生した「毒入り冷凍ギョーザ事件」だ。事件の容疑者であった
呂月庭(リュー・ユエティン)被告に対し、中国の裁判所はこのほど無期懲役の判決を
下している。毒入りギョーザ事件では、当時の日本社会や食品業界は「これほど悪意に
満ちた事件が日本で発生することなどありえない」と言っていたが、ありえないことが
実際に起こってしまった。
注目すべきは、阿部容疑者も呂月庭被告も契約社員だった点だ。両者は共に給料などの
待遇面で会社に強い不満を抱いていた。個人と企業が契約書のみでつながる契約社員が
増えるなか、今後も第2、第3の阿部容疑者が出現する可能性はあり、消費者を
人質にとったフードテロがさらに広がる危険性もある。
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