・20〜30代の女性を中心に黒髪が流行している。人気モデルやアイドルの影響もあり、
特集を組む女性ファッション誌が相次ぐ。1990年代から茶髪ブームが続いたことで、
「意外に新鮮」と受け止められており、「清楚(せいそ)に見える」「上品な雰囲気」との声も。
東京五輪が決まり、日本女性らしさを見直そうとする動きもあるという。
昨年9月の神戸コレクション。人気モデルの浦浜アリサさんらが黒を基調にした髪で登場し、
会場を沸かせた。運営するアイグリッツ広報の鷲田尚美さん(31)によると、2012年ごろから
黒髪にするモデルが増えており、「フィギュアスケート・浅田真央選手の活躍や東京五輪決定を
機に、モデルからも日本独特の美しさを発信しようという動きがある」とみる。
神戸市須磨区の主婦(24)は黒髪の友人が増え、6年続けた茶髪をやめた。「黒は逆に新しい感じ。
落ち着いて見えると好評で、気に入っている」と声を弾ませる。同市中央区で美容院を営む
女性(37)は「髪のつやや質感を大切にする傾向があり、黒や暗い色合いにする人が多くなった」と話す。
女性ファッション誌も昨年春ごろから次々と特集。似合う服やアクセサリー、化粧の仕方などを
掲載した。「CanCam」(小学館)は1、2月号と連続で取り上げ、「JJ」(光文社)1月号は
「おしゃれな人ほど黒髪の時代が来た!」と紹介した。
ファッションの歴史に詳しい神戸ファッション美術館(東灘区)職員の福家由美子さんによると、
80年代にはやった赤い口紅も再び注目されており、「流行が定着すると、逆に以前のスタイルが
新鮮に映る。黒髪に赤い口紅の時代がめぐってきている」と指摘。また、「染色費用を抑えるため、
地毛を生かした“賢いおしゃれ”を楽しむ女性も増えているのでは」と分析している。
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/201401/0006629944.shtml