・タイガー・ウッズの異母兄が勤務先に爆破予告をした疑いで逮捕されたという記事を読んで、
久しぶりにウッズ選手のことを思い出した。ウッズ選手といえば、数年前に自ら「セックス依存症」と
告白したことがある。ゴルフで活躍すればするほど、「セックス依存症」に悩まされずにすむように
なるはずだ。なぜか? ゴルフは性交の象徴的代理であり、性欲を昇華するのにうってつけだからである。
こういうことを書くと、「ゴルフを冒涜するな」とお叱りを受けそうだが、ボールを細長い棒で打ってホールに
入れる行為が性交を象徴的に代理していることは、疑いの余地がない。特にホールインワンは究極の
快感を連想させるからこそ、それを独り占めしたらとんでもない罰を受けるのではないかという恐怖を
払拭するために、祝賀会や記念コンペ大会を開いたり、ご祝儀や記念品を贈ったりして、幸運を
分かち合う慣習が定着しているのだろう。
そのための出費が何十万円、ときには100万円を超えることがあり、ホールインワン保険に入る
ゴルファーも少なくないらしい。そこまでしてゴルフをやりたがるのは、それによって得られる快楽が
素晴らしいからだろうが、そういうのはだいたい性的な快感の代用品だというふうに、われわれ
精神分析医は解釈する。ホールインワンの喜びを独占することに対する後ろめたさも、性的な快感に
伴う罪悪感とパラレルになっている。
美しい風景を楽しむのもゴルフの醍醐味の一つだが、フロイトにいわせれば、風景は女性器の象徴的
表現ということになる。「複雑な局部構造を示すもの」である女性器は、「岩や森や水などのある風景として
表現されることが多い」のだから。しかも、森や藪は陰毛を連想させるので、まさに女性器めぐりを
しながらプレーするのがゴルフなのであり、性交の象徴的代理としてこれほど洗練されたスポーツはない。
一番お勧めしたいのは、「死ぬまでセックス」を夢見ている中高年男性である。年を取るにつれて本物の
セックスから遠ざかっていくと寂寥感にさいなまれるが、ゴルフという代理行為によって欲望を昇華する
ことができる。おじさま方、せいぜいゴルフにお励みあそばせ。(抜粋)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140111/wlf14011107010005-n1.htm