価格が割高な「プレミアム(高級)ビール」市場がヒートアップしてきた。
業界最大手のアサヒビールが、ギフト専用だった「ドライプレミアム」を
2014年2月から通年販売すると表明したのが直接のきっかけだ。他方で、
低価格を売りにシェアを拡大してきた「第3のビール」は失速している。
アベノミクスによる景気回復を追い風に、成長が見込める高級ビール市場で各社がしのぎを削る。
ビール市場全体の1割程度を占める高級ビール。原材料や製法にこだわっているのが特徴で、
店頭価格は通常ビールに比べ1〜2割高い。サントリー酒類の「ザ・プレミアム・モルツ」と
サッポロボールの「エビス」が2強で、
キリンビールとアサヒビールのシェアはわずかだった。
そこに本格参入するのが、アサヒの「ドライプレミアム」。2013年6月、
麦芽と醸造行程にこだわり、金色のパッケージでギフト専用として登場した製品だ。
お中元シーズンだけで発売当初目標の約2.7倍に当たる189万セットを販売するなど好評だった。
14年2月からは、アルコール度数を5.5%から6%に高め、「贅沢なコクとキレ」を向上させて通年販売する。
アサヒが高級ビール市場開拓へ腰を上げたのは、ビール系飲料市場(ビール、発泡酒、第3のビール)の
構造変化がある。少子高齢化や若者のビール離れを背景に、市場全体は縮小傾向。
その中で「清涼飲料並み」の低価格を実現した「第3のビール」が急成長してきた。
サッポロの「ドラフトワン」が全国発売された2004年以降、各社とも開発・販売に
力を注いだ結果、味はビールに近づき、家庭での「晩酌ビール」は第3のビールに置き換わった。
ところが、ここへきて第3のビールは失速している。2012年の課税出荷量は
前年比1.1%増の1億5501万ケースにとどまった。唯一、高成長が見込めるのは、高級ビール市場で、
こちらは前年比5%以上の成長が続くとみられている。
モルツ、いやソース
http://www.j-cast.com/2014/01/04192697.html