東日本大震災以降、非常食の需要が急激に高まっている。
グルメ嗜好(しこう)に合わせて味が大幅に進化し種類も豊富に。
最新の“おいしい非常食”事情を調査した。
「大震災後は非常食の売り上げが10倍以上になりました」。
非常食を扱う轟産業(福井市)と藤井商店(福井県越前市)の営業マンは口をそろえる。
取引先は国や県など行政機関のほか、最近では備蓄する企業もかなり増えているとか。
ごはんやパンの主食系から、総菜などのおかず系まで千種類以上あり、
今は「小さくてカロリーが高いものが主流」という。
保存期限はほとんどが3〜10年。中には25年のものもある。
気になる味の方は「メーカー間の競争も激しくなっているので、
格段においしくなった」と太鼓判を押す。それでは、と記者が人気商品を食べ比べてみた。
売れ筋第1位は、水やお湯を注ぐだけで簡単に食べられるアルファ米の「五目ごはん」。
相当おいしい。量も十分で、はしが止まらない。第2位「リッツ保存缶」、
第3位「カロリーメイトロングライフ」はともに定番の味。知名度から選ばれているという。
総菜では、レトルト商品「美味しい防災食」シリーズの「肉じゃが」「筑前煮」の
味付けが抜群に良かった。野菜の食感もあり、食卓に並んでも遜色ないレベル。
越前市は昨年度、この肉じゃがを非常食として購入した。
ハンバーグやパスタなどの洋食系も子どもが喜びそうな味。
総じてどれもおいしかった。唯一、アルファ米の「白がゆ」を水で戻して食べたが「……」。
できればお湯を使いたい。非常食のパイオニア「乾パン」は堅いと不評で、この2年間は全く売れていないという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140103-00010001-fukui-l18