【社会】不法滞在者、中国への一斉送還中止 外交情勢に配慮

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 法務省が今年度から実施している、チャーター機を使った不法滞在外国人の一斉強制送還で、予定されていた中国国籍の
不法滞在者の中国への送還を取りやめ、別の国の不法滞在者に変更したことが7日、関係者への取材で分かった。中国の
一方的な防空識別圏の設定などによる日中関係の悪化が影響したとみられる。法務省は8日、7月にフィリピン国籍の
75人に行われて以来2度目となる一斉強制送還を実施する。

 法務省は今年度、外国人不法滞在問題への対処で、チャーター機での強制送還効率化方針を策定。退去強制令書が出さ
れた人数が多い中国とフィリピンへの一斉送還を計画し、まずフィリピンへの送還を行った。

 だが関係者によると、尖閣諸島問題などに加え、中国が東シナ海上空に防空識別圏を設けたことなどで日中関係が険悪化
し、別の国籍者の一斉強制送還に変更されたという。国籍は明らかにしていない。

 今の状態で強制送還を行えば、両国間に新たな悪感情が芽生えかねず、見送って両国間で協議を続ける方が現実的との
政治的判断が働いたとみられる。

 法務省入国管理局によると、今年1月1日現在で不法滞在者は約6万2千人。うち退去を命じられた不法残留者は計
3030人で、フィリピン375人、中国331人、スリランカ245人の順に多い。法務省は来年度も一斉強制送還を
計画しているが、今回の送還先変更により、違法状態の早期解消という目標に影響が出ないかが懸念される。

2013.12.8 10:56 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131208/plc13120810580004-n1.htm