細身で気弱そうな子だった。関東地方の福祉施設で暮らしていた少年は、どこにでもいるような
普通の中学生にみえた。だが、性暴力を“武器”に年下の男の子たちを虐げ、施設内でトップに
君臨していた。外見からはにわかに信じがたいが、少年は内に秘めた激しい攻撃性で性的暴行を
繰り返し、少年らを屈服させていたという。あまりの行動に「育成困難」と判断した施設は、
児童自立支援施設に送ることを決めた。
◆同性の年少者に性器を…被害者が加害者に
この少年のようなケースは、特別ではない。
「子供が子供に性暴力を振るう事態が福祉施設で問題となっている」。子供の性問題に取り組む
児童自立支援専門員、石沢方英(まさひで)さん(36)はこう訴える。事情があって親と暮らせない
子供らが入所する児童養護施設や、罪を犯したり問題行動があったりする子供が暮らす
児童自立支援施設で多くみられるといい、こうした性暴力に頭を悩ます施設は少なくない。
理由は定かでないが、それは男の子に特徴的な行動という。皆が寝静まった夜の居室やトイレの
個室で、職員の目を盗んでは同性の年少者に性器を触らせ、性交渉を強いる−。石沢さんは
「全国でこうした事案が多発しているというのが現場の実感だ」としている。
なぜ同性間での性暴力が起こるのか。石沢さんは「相手を辱めて支配し、自分の力や存在を
誇示するためだ」と分析する。性を暴力の手段として使う加害者は、必ずしも腕力を必要としない。
だからこそ外からは発見しづらい。また、放置すれば、被害者が年齢を重ねて加害者に転じ、
年少者を支配する「負の連鎖」も起こるという。
テレビのチャンネルを特定の子が決めたり、面倒な掃除を同じ子がやらされていたり。石沢さんが
勤務する千葉県の児童自立支援施設「生実(おゆみ)学校」では日常生活に垣間見えるささいな
力関係のサインにも注意を配り、指導する。「ピラミッド型の力関係をつくらせない方法を教える
必要がある」と石沢さんは言う。(続きはソースで)
産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/131105/waf13110507000001-n1.htm