大野市中荒井町一丁目の道上(みちかみ)勝栄さん(68)が、手作りで高さ約二・五メートル、奥行き約一・五メートルの「山車(だし)
からくり」を完成させた。かつて市内の寺にあったと伝わる山車を再現しようと、約三年を費やした労作。現在は同市要(かなめ)町の
福井銀行三番通出張所に貸し出し、二十五日まで展示されている。
山車は朱色の屋根を構え、その下の女性の日本人形が数十分ごとに欄干まで進み出て、台座ごとクルクルと回る仕掛け。動力は
電気で、祭りばやしも常時流れ周囲を華やかな雰囲気に包んでくれる。
道上さんの父親、故龍光(りゅうこう)さんは、越前大野城の災厄を除けるために建立された等覚院最後の住職だった。同市城町に
あった寺は檀家(だんか)を持たず、昭和四十年代に廃寺に。道上さんは「父が昔、寺にあった山車を再建しようとしていた」と記憶して
おり、その夢を継いだ。
山車は車輪を大工、それ以外は道上さんが手作りした。「山車だけじゃ寂しい」とからくり人形も取り付け、今春に完成。道上さんが
社長を務める大野ケーブルテレビ(中荒井一丁目)のロビーに飾っていた。
福井銀行三番通出張所を訪れた人たちは「飛騨高山の山車みたい。手作りなの? 大野にもすごい人がいるわね」と興味津々。
道上さんは「城下町の大野だから、山車からくりがあってもおかしくない。次回作にも挑戦したい」とほほ笑んでいた。
ソース(中日新聞・日刊県民福井から)
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/local/CK2013101902000204.html 写真=道上勝栄さんが手作りした「山車からくり」。数十分おきに、日本人形が前に進み出て舞う
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/local/images/PK2013101902100107_size0.jpg