伊豆大島では24時間の雨量が800ミリを超える記録的な大雨になりましたが、
大雨の「特別警報」は基準に該当しなかったため発表されませんでした。
気象庁は、伊豆諸島に向けた情報を発表したり、町役場に直接、電話をかけたりして
厳重な警戒を呼びかけていました。
大雨の「特別警報」は▽3時間の雨量や▽48時間の雨量が数十年に1度しかないような
値になった場合に発表され、府県程度の一定の広がりがある地域でこれらの値を
超えることが発表の基準となっています。
気象庁によりますと、伊豆大島では16日午前4時の解析で、▽5キロ四方に区切った
すべての地域で3時間の雨量が150ミリを超え、「数十年に1度」の値に達していたほか、
▽ほとんどの地域で48時間の雨量も420ミリ以上となり、「数十年に1度」の値に
達していました。
しかし、伊豆諸島のほかの島や、同じ東京都内では同様の雨量となった地域がほとんど
なかったため、気象庁は「特別警報に該当する地域的な広がりがない」として特別警報を
発表しなかったということです。
一方で、気象庁は伊豆大島に対象に▽15日午後5時半すぎに大雨警報を発表したほか、
▽15日午後6時すぎには土砂災害警戒情報を発表しました。
さらに、15日夜11時から16日朝6時までの間に東京都に対する気象情報を合わせて
5回発表し、「伊豆大島では記録的な大雨になっている」などと厳重な警戒を呼びかけたほか、
16日未明から明け方にかけて「記録的短時間大雨情報」を合わせて3回発表しました。
このほか15日夜遅くから明け方にかけて、東京都の防災担当者に3度、大島町の担当者に
1度、それぞれ直接電話をかけ、「伊豆大島では厳重な警戒が必要だ」として、
防災上の対応を呼びかけたということです。
これについて気象庁予報部業務課の田中省吾課長は「局地的な災害だったために特別警報の
対象ではなかったが、強い危機感を持って繰り返し危険が迫っていることを伝えていた。
ただ、自治体や住民にどの程度伝わっていたのか、情報の発表が適切だったかどうかは今後、
検証したい」と話しています。
ソース:NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131016/t10015312591000.html