○元首相と前首相がバラバラ発言する海江田民主
民主党の野田前首相がワシントンの講演で、集団的自衛権の行使容認に前向きな
考えを表明し、自らの政権の実績のひとつに原子力発電所の再稼働をあげた。
一方、同党の菅元首相は「原発ゼロ」を訴え、「共通の政治理念を持つ政治勢力」の
結集を呼びかける文書を配布しはじめた。代表経験者である両氏の言動が、党の
「バラバラぶり」を改めて印象づける結果となっている。
野田前首相は、1日の講演で、「日米同盟堅持、国際社会における平和構築努力
への積極的な参加に必要と判断されれば、集団的自衛権を行使すべきだ」と述べた。
集団的自衛権は、政府の憲法解釈で「保有しているが行使できない」とされる。
安倍首相は行使容認に向けた憲法解釈変更に意欲を示しているが、民主党執行部は
近く、解釈変更を認めない方向で意見集約を図る考えだ。野田氏の発言は党執行部の
動きをけん制したものと受け止められた。
一方、菅元首相は、「今後の活動について」と題した文書を作成し、後援会関係者らに
配り始めた。「あまりにも考えの違う政治家が選挙のために集まると民主党の分裂の
失敗を繰り返すことになる」と指摘し、「新たな政治勢力を生み出していく努力を続けて
いきたい」と宣言した。
菅氏は今年7月の参院選東京選挙区で、党公認を得られなかった無所属候補を支援
して党から処分された。そのことについて、文書では「私が脱原発を声高に主張している
ことを快く思わない『原子力ムラ』に連なる関係者が、この機会に『党紀違反』として私を
民主党から追い出そうとした」などと執行部を批判した。
□ソース:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20131003-OYT1T00253.htm