長野市の鷲沢正一市長(72)が来月20日告示の長野市長選に立候補しないことが7日、わかった。
鷲沢氏は取材に対し、「1月に、辞めさせてもらう相談をした。この辺がそろそろ潮時」と述べた。
市長選にはすでに4人が出馬を表明。自民党県連が実質支援してきた鷲沢氏が引退を決めたことで、
経済界や同党県連など保守陣営の動きが一気に流動化しそうだ。9日にも記者会見し、正式表明する。
鷲沢氏は、再選と3選を果たした過去2回の市長選では、6月の定例市議会で立候補を表明。
今回は、その6月議会で、「7月の参院選後に進退判断する」と表明した。
しかし、7月23日の定例市長会見では「見識のある人物に進退判断を一任している」と説明。
その後も進退についての言及が注目されながら「熟慮中」との発言を繰り返した。
鷲沢氏の言う「見識ある人物」が自民党県連幹事長の石田治一郎県議(76)。
鷲沢氏とは長野青年会議所時代に信頼関係を築き、過去3回の選挙を支援した。
関係者によると、鷲沢氏は6日夜、石田県議と東京都内で会談。
鷲沢氏が「十分にやりつくした」などと不出馬の意向を伝え、石田県議が翻意を促しても受け入れなかったという。
石田県議は関東地方の病院で約2か月入院治療を受けていて、6日が退院日だった。
石田県議は7日、市内にある自身の事務所で記者会見し、
「鷲沢市長の12年の行政経験は貴重。6日も含め、個人的に続投をお願いしてきた」と述べた。
鷲沢氏はこの記者会見後、別の場所で「石田県議には辞めるということで了解してもらった」と明かした。
鷲沢氏は、後継者について聞かれると、「私は分からない」と述べた。
(2013年9月8日19時06分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20130907-OYT1T01147.htm