【毎日新聞】 「ナチス問題はデリケートなので発言前に資料で事実確認しましょうね。未曽有は『みぞう』と読みましょうね。麻生さん!」

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1有明省吾 ◆BAKA1DJoEI @有明省吾ρ ★
★発信箱:過剰なサービス=榊原雅晴

あるイベントを取材するようPR会社から依頼書が届いた。そこには「差し出がましいのですが……」とただし書きがあり、“記事案”が同封してあった。
つまり「こんなふうに書いてみたら」というお手本。それが私が書くより上手なので、プライドが少々傷ついた。

ある外国要人が来日した。招請した団体から記者会見の案内が届き、その人物の経歴や業績紹介が添えてあった。行き届いた配慮に大いに感謝。
だが末尾に「資料は必ず事前に目を通しておくように」と強い調子で注意してあるのに驚いた。
確かに最低限のマナーだけれど、それって駆け出し記者にデスクが言うセリフでしょ。

がんを放射線で効果的にやっつける医療機器が開発され、メーカーが発表した。
プレゼンを聞きながら「医学の進歩はたいしたもんだ」と感心していたら、最後に広報担当者が「念のため注意しておきますが、
放射線の『ひばく』は被曝と書いてください。被爆ではありません。くれぐれもお間違えのないように」。
心配は分かるけど、こちらの日本語力がそんなに頼りなく見える?

どれもこれも、ものごとを正確に伝えてほしいという熱意の表れであり、目くじら立てることではあるまい。サービスが少し過剰だっただけ。

でもね、と思う。そうした過剰サービスなら、ほかに必要な人がいるんじゃない?

こういう言葉遣いなら誤解なく真意が伝わりますよ。ナチス問題は特にデリケートなので発言前に資料で事実確認しましょうね。
未曽有は「みぞうゆう」ではなく、「みぞう」と読みましょう。

こんなアドバイスをしてくれるスタッフがいればよかったのにね、麻生さん!(京都支局)

毎日新聞 2013年08月08日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/opinion/news/20130808ddn005070024000c.html