健康診断で「糖尿病の疑いがある」と指摘されても「体調が良いから大丈夫」と放置したままの人もいるのではないだろうか。
糖尿病が怖いのは、高血糖が続くことで血管障害の合併症が起こりやすくなるためだ。合併症が出てからでは健康な状態に
戻すのが難しいのはもちろん、経済的な負担も大きい。発症抑制に最も効果が高いのは生活習慣の見直しだ。医療費の節約と考え、
実行してみてはどうだろう。(平沢裕子)
◆節約できない
経済アナリストで独協大学教授、森永卓郎さん(56)は3年前、足にできた傷がなかなか治らなかった。病院を受診すると、
糖尿病と診断された。現在、合併症予防のためにインスリン療法を行っており、毎月の医療費は1万〜1万5千円という。
『年収300万円時代を生き抜く経済学』などの著書があり、お金の節約やお得情報に敏感な森永さんは
「自分が糖尿病になるなんて考えたこともなかった。医療費は毎月の固定費で節約できない。
もっと早く病気の怖さや経済的負担が大きいことに気づけばよかった」と悔やしがる。
糖尿病は血糖値が高くなる病気。しかし、血糖値が多少高いくらいでは全く症状がない人がほとんどだ。糖尿病が悪化し、
血糖値がかなり高くなってくると、喉が渇きやすい、だるい、トイレが近い、傷が治りにくいなどの症状が現れる。
森永さんも足の傷が治りにくかっただけでなく、喉が渇くなどの症状も自覚していたという。
血糖値が高い状態が続くと、細い血管が詰まり、網膜症や腎症、神経障害の合併症が起きやすくなる。
太い血管が動脈硬化を起こし、脳卒中や心筋梗塞などの合併症となるリスクも高い。
東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野の弘世貴久教授は「網膜症は失明、腎症は透析、
神経障害は足の切断などにつながる。糖尿病を指摘されても『体調が良いから大丈夫』と思っている人は多いが、
症状が出るのはかなり危機的状況になっていることを知ってほしい」と指摘する。
産経新聞 7月24日(水)12時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130724-00000525-san-hlth (続)