★2013参院選 自公圧勝 ねじれ解消 力に頼らず謙虚な政治を(7月22日)
参院選は自民、公明の政権与党が圧勝した。
国会の「ねじれ」は解消し、与党が衆参両院で過半数を確保する。
昨年12月に発足した安倍晋三政権の経済政策などの政治運営に有権者は一定の評価を与えたと言える。
首相は国論を二分するような難しい課題の争点化を避けてきた。憲法や原発政策などがセットで支持を受けたわけではない。
議論が不十分なまま、国の針路を大きく変える方向へかじを切れば将来に禍根を残しかねない。
数の力におごらず、国民の声に謙虚に耳を傾ける姿勢が大事だ。
■巧みだった実績強調
選挙戦では与党の戦術の巧みさが目立った。
首相は経済政策の「実績」を繰り返し強調した。円安効果で輸出産業などの業績回復がみられることが、有権者に生活改善への期待感をもたらした。
環太平洋連携協定(TPP)や原発再稼働など、国民の間に賛否両論がある政策で深入りを避けた。
選挙戦前半で改憲や外交安保問題などで「安倍カラー」を抑えたことも、無党派層や民主党に失望した有権者を引きつけた。
その結果自民党は、全体の勝敗を左右する31の1人区の大部分で勝利し、比例代表の票も伸ばした。
さらに野党の共倒れが与党の圧勝を後押しする結果になった。
民主党、日本維新の会、みんなの党は複数区で当落線上の議席争いを展開した。政策面でも与党との差を示しきれず、批判票の受け皿として不十分だった。
自民との対決姿勢を明確にした共産党が議席を伸ばしたが、野党票は分散が目立った。
重要テーマが多かったにもかかわらず投票率は前回に比べ落ち込んだ。野党の力不足が投票所への足を鈍らせたと考えられる。(
>>2-5へ続く)
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/480959.html