2013参院選・埼玉:アベノミクスを問う/1 民主党・枝野幸男衆院議員 /埼玉
毎日新聞 2013年06月21日 地方版
第23回参院選(任期満了7月28日)は21日、与党が合意した投開票日の7月21日まであと1カ月となる
(公示は7月4日が確実)。昨年12月に発足した安倍政権の進める経済政策「アベノミクス」の成否が、
論戦の中心になるとみられる。日本経済はアベノミクスで本当に再生するのか。
埼玉選挙区(改選数3)に立候補者を擁立する主な政党で経済分野に精通する論客に聞いた。【聞き手・木村健二】
◇社会保障充実で需要を−−枝野幸男衆院議員(49)
−−「アベノミクス」で「第一の矢」となった大胆な金融緩和、「第二の矢」の機動的な財政出動の展開について、
どのように評価していますか。上昇を続けた株価が、乱高下する状況も出てくるようになりました。
痛み止めやカンフル剤としては一定の効果があるのかなと思ってきたが、どうもそれすらあやしい。
金融緩和は2000年代半ばに失敗している政策で、デフレの本質的な解決にはならない。
(可処分所得から消費に向ける額の割合を示す)消費性向は所得が低いほど高くなり、
格差が広がれば広がるほど消費性向が下がってデフレになる。ましてや人口が減っている。
だから適正に所得を再分配し、内需を拡大しなければならない。
民主党政権は、そういう時間のかかる努力をしてきたけれども、伝わっていなかった。
安倍政権には、そういった問題意識がまったくない。
−−「第三の矢」となる新しい成長戦略もまとまりましたが、どのような印象を受けましたか。
あれで経済が成長するのかと言えば、必要条件であるけれども十分条件ではない。
なぜなら、基本的に供給サイド、既存企業側に立っていて、需要の方に目が向いていない。
需要を掘り起こすためには、社会保障政策だったり、所得の再分配政策こそが必要で、
それらが中期的に日本経済の体力を強める。
(つづく)
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130621ddlk11010216000c.html