【政治】 なぜ日本人は橋下徹にあれだけ熱狂したのか?「庶民感覚からくる本音」を装った感情的な正論であるため、具体策では綻び★2

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3わいせつ部隊所属φ ★
具体的な各種政策において、橋下さんが取り組んだり首を突っ込んだりしたもので、
ろくな着地になっていないものが多いのもまた、事実です。
最たる例が脱原発運動に軽々しく乗っかり、一大電力消費地であるにもかかわらず
原発再稼動反対の方針にシフトして関西産業界から総スカンを受けた件です。
電力供給不安に見舞われた一部産業が大阪府内の操業を他地域に振り分けなおすなどして、
正規雇用が4万人近く失われて、いまなお回復する兆しはありません。
おまけに、大阪府市が設置した脱原発のための有識者会議である「エネルギー戦略会議」にいたっては、
大阪市監査委員により、4つの会議については条例に基づかずに設置されていたとして違法と認定され、
解体に追い込まれてしまいました。

「庶民感覚からくる本音」を装った感情的な正論であるため、具体策では綻びが出てしまいます。
それでもこれまでは、問題の収拾がつかなくなってくると議論を二転三転させた上で
フェードアウトさせるアプローチで乗り切ってきました。
「時事問題いっちょ噛み」をして、国民からすれば実現したらそれが一番良いことなのだけど
利害関係者や法律などのコンテクスト(文脈)があるために、
一足飛びには解決できない処方箋をメディア経由でばら蒔き、人気集めをする手法です。

そのたびに、敵が増えていくのですが、党勢が拡大している最中は問題にはなりません。
なぜならば、圧倒的なメディア力を持つ橋下さんに敵認定されることは、
橋下さんに勢いがある限り一方的に踏みにじられ抗弁すらさせてもらえず批判され続けることになるからです。
橋下さんの矛先が国内に向かっているうちは、なかなか彼と互角でやりあえる人材は出ないでしょう。

メディア戦術は一貫も、外交問題が落とし穴に

橋下さんを押し出したメディアの原理は、既存政治や政党に対するもやっとした有権者の不支持の態度であり、
それが小泉改革の熱狂や、民主党の政権交代の世論を形成し、後押ししました。
政権交代時に民主党を支持した有権者層が、前回の選挙で日本維新の会支持に回り、
全国で20%弱という新興政党としては破格の支持率を得た理由はここにあるのです。