5月30日付のインド主要紙は、シン首相の訪日を1面トップ記事などで手厚く報道し、日印関係の強化を大々的に歓迎した。
インドはカシミール地方の支配地で中国人民解放軍の侵入と駐留を受けたばかりで、中国の軍事的脅威に対抗するため、
日印の連携強化を訴える論調が目立った。
ヒンドゥスタン・タイムズは1面トップで「仕事と円を中国からインドに移すのに熱心な日本」との見出しで、
「何百もの日本企業が、工場を中国からインドに移し、巨額の投資と大量の仕事をもたらすかもしれない。
日本はインドにとり(軍事)技術の魅力的な源として浮上しそうだ」と期待を示し、
「共同軍事演習を深化させることは、最近、インド領にずうずうしい侵入をした中国を鼻先であしらう好機となるだろう」と伝えた。
シン首相が日印の関係強化や海洋の自由での協力を訴えたのは「中国の海洋での拡張路線に抵抗する穏やかな表現だ」と指摘した。
中国共産党機関紙、人民日報が最近、日本がインドなど中国周辺国との関係を深めていることに「中国関連問題で押し込み泥棒に
なっている政治家がいる」と批判した記事についても、「こうした邪悪な警告は命運が尽きた」と断じた。
タイムズ・オブ・インディアは「日印が真珠の首飾りの破壊で手を携え」との見出しで日印首脳会談の成果を報じ、
中国がスリランカやパキスタンなどインド洋周辺国で軍事利用を視野に港湾整備を支援していることに対抗するため
日印が協力を強化するとの趣旨の記事を掲載した。
インディアン・エクスプレスは「トーキョー(日本政府)との団結」と題する社説で、シン首相は中国の顔色をうかがって
日本への接近を心配していたようだが、カシミール地方での侵入事件が「いつまでも続く中印関係のもろさをさらけ出し、
日本という選択肢を新たに突出させた」と分析している。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130531/asi13053122570004-n1.htm