朝日新聞2013年5月24日(金)朝刊「声」欄より
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305230625.html 橋下発言、原爆正当化論と共通
無職 佐々木勉(神奈川県横須賀市 49)
日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦は必要だった」という見解は、
現在も多くの米国人が「広島、長崎に原爆を投下したのは正しかった」とする考え方に似ている。
双方に共通している点は、戦争中の非人道的な行為について、あの時代は必要だったという強者の論理である。
米国で根強い原爆正当化論は日本人には理解し難いが、
「慰安婦は必要だった」という橋下氏の考え方と表裏一体のように思える。
また、橋下氏は「世界各国の軍が女性を利用していた」として日本だけ非難されるのはおかしいという趣旨の発言もしている。
これは、たとえて言えば、窃盗犯が「盗みをしたのは俺だけではない、他の人もやっている」と開き直るのと同じだ。
世界からは「盗っ人たけだけしい」としか思われない。
公党の代表で自治体の首長でもある人が、公の場でこんな発言をすれば日本人の見識が疑われ、日本国家の信用は低下する。
拉致問題や領土問題を国際社会に訴えても諸外国からは「こんな時だけ被害者面するな」と理解や協力を得られなくなり、
結局は国益を損ねることになるだろう。