大津市で2011年10月、同級生からいじめを受けていた市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、滋賀県教委は1
7日、「生徒がいじめられていることをうかがわせる状況があったにもかかわらず、適切な対処をしなかった」として男子
生徒の当時の担任だった男性教諭(41)を減給1カ月(10分の1)の懲戒処分にした、と発表した。男性教諭は県教委
に対し、「今から思えば、いじめを疑って対応すべきだった。生徒には申し訳ない」と話しているという。
県教委は処分理由の中で、男子生徒と他の生徒にトラブルが生じた時、けんかの延長として判断し、生徒同士を謝罪・和
解させただけで、徹底調査・全体指導をしなかった▽これらにより、いじめを目撃していた他の生徒の不信感を生じさせ、
その後学校としての適切な対応も欠けていたことにより、社会的に大きな批判を受けることとなった−−と指摘。男性教諭
が「教員としての職務上の義務を怠り、教育公務員としての信用を著しく失墜させた」とした。
県教委によると、担任教諭は昨年7月にいじめ情報を適切に公表していなかったことが問題化した後、今年3月まで休職
していたため、聞き取りが進まず処分が遅れたという。16日に懲戒審査会を開き、処分を決めた。
市の第三者調査委員会の報告書によると、担任は男子生徒の自殺前に「いじめではないか」と他の生徒から報告を受けて
いたほか、自殺の6日前にトイレで男子生徒への暴力行為があったことなどを知りながら、いじめを見過ごしていたとされ
る。第三者委は報告書で「いじめの認知を殊更に回避していたようにさえ感じられる」などと対応の不十分さを指摘した。
毎日新聞 5月17日(金)12時4分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130517-00000033-mai-soci (つづく)