【毎日新聞】 「安倍首相が、先の大戦に対する歴史認識や、閣僚の靖国神社参拝をめぐり、耳を疑うような発言を繰り返している」

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1有明省吾 ◆BAKA1DJoEI @有明省吾ρ ★
★社説:村山談話の評価 首相の歴史認識を疑う

安倍晋三首相が、先の大戦に対する歴史認識や、閣僚の靖国神社参拝をめぐり、耳を疑うような発言を繰り返している。

戦後50年の1995年の終戦記念日に村山富市首相(当時)が、日本の植民地支配と侵略を謝罪した「村山談話」について、
安倍首相は「侵略という定義は、学界的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係において、どちらから見るかにおいて違う」と国会で答弁した。

首相の発言が、日本の過去のどの行為を想定したものか、必ずしもはっきりしない。
質疑の流れからすると、31年の柳条湖事件に始まる日中戦争は侵略戦争ではなかったと否定しているようにも受け取れる。
朝鮮半島に対する植民地支配は侵略ではないと言いたいようにも聞こえる。いずれにしても村山談話に強い疑問を投げかけている。

実際、首相は村山談話について「安倍内閣として、そのまま継承しているというわけではない」とも語り、
談話を踏襲するという当初の方針を軌道修正している。

「侵略」への謝罪は村山談話だけでなく、戦後60年の2005年に小泉純一郎首相(当時)が出した談話にも同じように盛り込まれている。

安倍首相は、戦後70年の15年に「アジアに向けた未来志向の談話」を出すつもりだ。その際、村山、小泉両元首相の談話の精神は受け継ぐが、
日本の過去の行動が「侵略」だったかどうかという歴史認識までそのまま継承するわけではない、ということなのだろうか。

首相の軌道修正の背景には何があるのだろう。70%前後という高い内閣支持率に気をよくして、
村山談話にもともと否定的な持論が顔をのぞかせ始めたのなら、見過ごすわけにいかない。「侵略」に関する国際法の議論がどんなものであれ、
村山、小泉両元首相の談話が言うように、日本が過去に植民地支配と侵略をしたことは歴史的事実だ。
首相がその歴史的事実を曲げようとしているのなら、問題だ。(>>2-3へ続く)

毎日新聞 2013年04月26日 02時31分
http://mainichi.jp/opinion/news/20130426k0000m070132000c.html