不二製油は2013年4月12日、新技術「USS製法」(ウルトラ・ソイ・セパレーション)による
世界初の「豆乳クリーム」を発表した。
これまでの豆乳の製造工程では加水した大豆を砕き、「豆乳」と「おから」に
分離させていた。しかし新開発のUSS製法では、牛乳を生クリームと脱脂乳に分離する
遠心分離と似た方法のため、豆乳をさらに「豆乳クリーム」「低脂肪豆乳」「おから」に分離できる。
同社の清水洋史社長によると、同商品は業務用商品として食品メーカーや
飲食店向けに2013年4月から販売を始めたが、発売前にすでに予約で売り切れており、
予想以上の大きな反響に驚いているとのこと。「豆乳クリームは乳化力にすぐれ、
食品にまろやかさと大豆のコクを与える。牛乳から作られたクリームと違い、
食品の風味をマスキングする作用が少ないため、素材の風味がそのまま
味わえるのも利点。また低脂肪豆乳は一般的な豆乳よりも低カロリーなうえ、
だしのような風味を持つ特徴がある。設備を大きくして、1人でも多くの方に届けたい」(清水社長)。
新商品発表会に登壇したのは、USS製法で生産する豆乳クリームの採用を決定した
企業3社(相模屋食料、内堀醸造、コールド・ストーン・クリーマリー・ジャパン)と、
料理研究家の松村佳子氏、菊乃井の村田吉弘主人。各社ともまだ発売前で実製品を
紹介できないため、試食用の食品が報道陣に配られた。
2012年に「ザク豆腐」をヒットさせた豆腐業界トップの相模屋食料では、
6月下旬から豆乳クリームを使用した寄せ豆腐の発売を予定。「通常、豆乳はとろりと
させると味が薄くなるが、この豆乳クリームはさらに濃厚になっている。豆乳クリームで
豆腐を試作し、豆腐本来のおいしさを再体験した思いがした」と、鳥越淳司社長も
驚きを隠せない様子。この豆乳クリームの濃厚さとコクを生かすには、
寄せ豆腐(豆乳とにがりが混ざっただけで、濾していないもの)がぴったりと判断したとのこと。
イカソース
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130415/1048720/ http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130415/1048720/thumb_400_09_px400.jpg