★コウナゴ試験操業開始 3年ぶり水揚げ 相馬沖
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で福島県沖での操業自粛が続く中、
沿岸漁業の主力の一つコウナゴ漁の試験操業が29日、相馬沖で始まった。
初日は小型船50隻が相馬市の松川浦漁港など三つの漁港から「出漁」し、
3年ぶりとなる「春告げ魚」の水揚げに港は活気づいた。放射性物質検査で検出下限値を下回った。
「小型船の漁業者にとって大きな一歩」。漁師らは久しぶりの漁の感触に喜びをかみしめた。
試験操業は、県漁連、相馬双葉漁協などが連携して取り組んでいる。
小型船による沿岸海域での操業は初めてで、試験操業の拠点になっている松川浦漁港に加え、
新地町の釣師浜漁港、南相馬市鹿島区の真野川漁港からも初めて出船した。
沿岸の浅い海域で二船一組で網を引いてコウナゴを漁獲した。
早朝に出港した漁船は午前9時ごろから松川浦漁港に次々と寄港し、17トンを水揚げした。
生鮮品とゆでた加工品のサンプルを自主検査した結果、放射性物質は検出下限値未満だった。
相馬原釜魚市場買受人協同組合を通じて週明けから県内外に出荷される見込みだ。
コウナゴ漁の試験操業は4月ごろまで新地町−南相馬市鹿島・原町区の海域で週に2回程度、行われる。
1回につき20トンを目標量としている。
試験操業は昨年6月から始まり、コウナゴは14魚種目。
相馬双葉漁協コウナゴ操業委員長の今野智光さん(54)=相馬原釜・稲荷丸船長=は
「小型船の漁業者にとって大きな一歩。本県の魚の安全性をアピールしていきたい」と話した。
コウナゴ漁の試験操業は、いわき市漁協、小名浜機船底曳網漁協も実施に向け、重点検査を行うなどして準備を進めている。
平成22年の福島県のコウナゴの漁獲量は1862トン、漁獲高は約8億9300万円だった。海況の影響で変動が大きいとされる。
福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/201303307504