日銀の白川方明(まさあき)総裁は19日の退任記者会見で、日銀が市場の期待に働きかけて物価上昇を目指す
手法について「そうした市場観や政策観に私は危うさを感じる」と述べた。20日に就任する黒田東彦(はるひこ)
新総裁らが志向する「リフレ政策」の先行きに懸念を表明した発言といえる。
日銀はデフレ脱却に向けて2%の物価上昇目標を設定したが、白川氏は「マネタリーベース(お金の供給量)を
増やせば物価が上昇するというリンク(相関関係)は断ち切られている」と指摘した。デフレの原因については
「すべての経済現象を貨幣現象だけで説明できるわけではない」と説明し、金融政策だけでデフレは克服できない
との考えを重ねて強調した。
白川氏の本来の任期は4月8日までだが、山口広秀、西村清彦の両副総裁が3月19日に任期満了となるため、
新体制への移行をスムーズにするため前倒し辞任する考えを示していた。
ソース
http://mainichi.jp/select/news/20130320k0000m020042000c.html