【話題】旧日本軍の三八式小銃、ミャンマーで今も現役 大佐「性能は非常によい」
「わが部隊の楕円形防御陣地を囲む木を日本軍の狙撃兵はほとんどすべて自由に使い、アメ
リカ兵が水に浸かったタコツボから出ざるをえないところを思うがままに狙撃することができた。
彼我の距離は、二〇〇〜四〇〇メートルもあった。鋭い監視の目を向ける狙撃兵は、精密兵
器を枝に固定し、床尾を肩にしっかりと当てた。 あとは照準をきちんを合わせ、引き金を引くだ
けである。第一大隊に聞こえるのは、日本軍の六・五ミリ口径弾薬が爆発したときの、独立記
念日に爆竹を石にぶつけて鳴らしたようなパンという音だけだ。 すると、タコツボで縮こまってい
たアメリカ兵の耳に、隣の分隊の兵士が発する末期の長いうめき声が聞こえてくる。 ときには、
延々と完全な沈黙が続いたのち、ふと気づくと戦友が額にはっきりとわかる小さな穴を開け、血
の気を失った死体に変わっていることもあった」
日本軍狙撃兵を発見するのが困難だったもう一つの理由は、使っていた弾薬と銃にある。 日
本軍は火薬の量が比較的少ない六・五ミリ口径の弾薬と銃身長の長いライフルを使っていたた
め、普通なら発砲後に上がって狙撃兵の居場所を教えてくれる硝煙が、ほどんど出ないのであ
る。 こうした厄介な狙撃兵に対処するには、強力なブローニング・オートマチック・ライフル(BAR)
で木の枝を無差別に撃ちまくるのがもっとも効果的かつ効率的だろう。 それでも、狙撃兵と遭
遇した場合は足止めされ、被害を避けるのは事実上困難だった。