【ゲンダイ】中央銀行を隷属させる安倍首相の態度は国家の根幹をグラグラにするのであると高橋乗宣が日刊ゲンダイに

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1春デブリφ ★
★「禁断の木の実」に手を出した安倍首相

 国債が売れなくなっているそうだ。財務省によると、今年度(12年7月〜13年6月)の個人向け国債の販売額は、前年度実績を3割下回る見通し。2兆5000億円の販売目標にも届かないとしている。
 理由は明白だ。金利が安く、投資対象としての魅力に欠けるのである。巨額マネーを運用する機関投資家にとっても、状況は同じだ。積極的に日本国債を購入するメリットは、ほとんどない。結局、国債の買
い手は日銀ぐらいとなる。
 そんな流れに拍車を掛けるのが、安倍政権の「大胆な金融緩和」だ。安倍首相は、日銀法改正までちらつかせて白川総裁を脅し、2%の物価目標をのませた。中央銀行を政府の配下に置き、思い通りの方向に
動かす考えである。
(中略)
 一部では、「1ドル=100円まで進む」との声もあるようだ。そんな水準で止まる保証はない。日銀は国債を引き受ける代わりに日銀券を発行し、市場をジャブジャブにするのだから、なおさらである。猛
烈な円安を覚悟しなければならないだろう。
 問題は、グローバル時代の円安に利点が少ないことだ。円安になれば輸出が伸びて賃金や雇用機会が拡大するというが、輸出企業の多くは生産拠点を海外に移転している。いまさら国内生産を増やそうという
状況にない。しかも、輸入価格の上昇で生活コストはバンバン上がる。そんなマイナスを打ち消すほどのプラス効果があるとは、到底思えないのだ。
 中央銀行を隷属させる安倍首相の態度は、国民の暮らしを破壊して、国家の根幹をグラグラにするのである。

2013/3/16 07:00 - 日刊ゲンダイ【高橋乗宣】
http://netallica.yahoo.co.jp/news/20130316-00000007-a_aaac