・原田氏(マクドナルド会長兼社長):「値上げをすれば客足が減るのではないか」と懸念する声もあります。
ですが、考えてみてください。日本の外食産業の市場規模は年間7.7兆円と言われています。
対して、家庭で食べる内食は、食材費だけでも年間21兆円です。外食産業の原材料が売上高の3分の1と
すると、「21兆円×3」で、内食が全て外食に置き換われば、63兆円に市場が膨らむ計算になる。
つまり、外食産業には63兆円分の潜在需要があるわけです。それをどう喚起するか、ということでしょう。
外食の回数を今までよりも増やしてもらう。それが必要だと考えたからこそ、我々は朝食のキャンペーンなどを
始めているわけです。
原田: 消費増税と同時に値上げするのは、明らかに愚策でしょう。そもそも、消費税を理由に値上げをするから、
消費が止まるんです。
また消費が止まるから「増税反対」という経営者もいますが、これも暴論ですね。消費税を上げなかったら、
日本の国はどうなるのか。誰が社会保障費を払うのでしょうか。
重要なのは、消費税と関係のないところで値上げをすることなんです。
ですから我々は、今、九州で試験的な値上げをしています。100円の商品を120円にして、うまくいったら消費増税の
前に値上げをする。増税前に早く値上げをして、増税時には価格を一切変更しない。そうすれば消費者は安心
しますから、消費意欲は衰えないでしょう。事前に値上げをして、消費増税分を吸収する。それくらいの知恵を使って、
消費増税に備えるのが経営者の責任でしょう。(抜粋)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130226/244214/?P=4&nextArw