中国各地で深刻な大気汚染を引き起こしている微小粒子状物質「PM2.5」。越境飛来による健康被害への懸念から
日本国内でも高性能のマスクや空気清浄機といった対策グッズが売れ行きを伸ばし、注文殺到で受注を中断したマスク業者も出てきた。
「呼吸器系が弱く、外勤の仕事なので対策なしでは心配です」。福岡市中央区のオフィス街にあるドラッグストア。
買い物に訪れた同市南区の女性会社員(52)が不安そうに話した。
この店では、先月中旬から、医療現場のウイルス感染予防に使われ、PM2.5も防ぐことができる「N95」タイプの
マスク5種類の販売を開始。店頭の目立つ場所に「PM2.5を防御するには規格試験に合格したマスクを」と書いた特設コーナーを設けた。
マスクの売り上げ枚数は昨年のこの時期に比べ2倍に上り、そのうちN95タイプが約7割を占めるという。
N95タイプは1枚当たり約330〜800円と高価だが、品薄になることを懸念して、まとめ買いをする客も。
男性店長(39)は「子供や孫への影響を心配して買い求める客も多い」と言う。
中央区の大型雑貨店「インキューブ」では、N95タイプのマスクを子供用を含め3種類販売。
マスク全体の売り上げは、やはり昨年の2倍に伸びているという。
「PM2.5対策用マスク」を製造してきた愛知県豊橋市の「くればぁ」は、注文の殺到に対応しきれず、今月21日に受注を一時中止した。
金網などのメッシュ製品を製造してきた同社は約2年半前、独自の技術でPM2.5を99.9%カットできるマスクの販売を開始。
既製品が4998円、顔の形に合わせて作るオーダーメードは7980円(初回のみ)と高額で、
洗って再使用できるものの、これまでは年間100〜200枚ほどしか売れなかった。
ところが、中国国内の大気汚染報道が増えた今年に入り、日中両国から注文が殺到。
現在の受注分の納品も既製品で夏以降、オーダーメードは1年後になりそうだという。
http://mainichi.jp/select/news/20130223k0000e040205000c.html http://www.nippon-clever.co.jp/mesh/30.html