【USA】 米の政治専門家「アメリカは3つの同盟国の支援を必要としている。日本、イスラエル、イギリスは、順に、より多くの損害を蒙る」
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477:2013/01/14(月) 23:40:57.22 ID:pJ4KpTQT0
中国依存の軽減は大きな課題になる。中国の人件費が上昇していることもあって、米企業はすでに対中投資
を抑制しつつある。必ずしももうかる市場ではないことに、米企業の経営者は気づいたのだ。
中国はいずれ自由な市場経済に向かう。そう思われた時期もあったが、今は違う。政府が経済や産業を操る
国家資本主義の体制はしばらく変わらない。そんな見方が米国では有力になっている。知的財産権の侵害や
サイバーテロなどは、米国にとって現実の脅威である。民主党も共和党もこの認識では変わらない。
米国の中国観が変わったことは、中国との間で厳しい立場にある日本にとって悪い話ではなかろう。日本は
米国と手を携え、TPPを「新たな世界貿易機関(WTO)」に育てることに力を尽くすべきだ。TPPが強力な存在
になれば、いずれ中国もそのルールに従わざるを得なくなる。
日本の得意技は外交や安全保障ではなく、経済や産業である。歴史認識などで熱くならず、米国と一緒に
その手腕を発揮してほしい。(談)
(新政権 私の注文)(3)対中国、日米で力合わす時 米ユーラシア・グループ社長 イアン・ブレマー氏
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49848030R21C12A2EE8000/ http://blog.goo.ne.jp/pineapplehank/e/4fd9239244a31e02fe01e5bd3e3d2649 ――自民党の大勝をどう見ますか。
「民主党政権への国民の不満が表れた。経済が厳しく、東日本大震災への対応が求められるなかで、
あまりに多数の閣僚が短期に入れ替わった。他党に政権を担う能力はないと訴えた自民党に有権者が傾いた」
「重要な意味を持つのは日本維新の会の躍進だ。日中間の緊張を反映したものだろう。
日本の国防強化やナショナリスト的な反応を刺激しかねない中国側の危険な挑発が増えている」
『原発再稼働を』
――新政権が最優先で取り組むべき政策とは。
「経済だ。 デフレ脱却へ、日銀が2%の物価目標を掲げることに私は賛成だ。歴史的にも困難で、日銀を政治利用
すべきではないが、円高対策と合わせて今の日本経済を刺激するために必要な策だ。それにエネルギー政策。
原発再稼働へのカジを切り直すべきだ」
「対外的には、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加だ。TPPは日本にとって『対中国』という意味合いが大きい。
中国以外に投資を分散しやすくなり、軍事的な中国側の挑発を抑える狙いがある。経済安全保障につながるものだ」
――中国の新指導部とどう向き合うべきでしょう。
「自民党の安倍晋三総裁が首相として前回訪中した2006年と環境は変わった。中国は大きくなり、もう日本は
必要ないと感じている。米国の同盟国である日本には、一段と強硬な姿勢を示してくるだろう」
「日本は細心の注意を払って相手の手に乗らないことだ。尖閣問題を大きくしてはならない。
経済面で日中関係を深める道もいまは難しい。大事なのは日米関係強化に力を注ぐことだ」
――具体的にはどうすれば?
「新首相は1月にも訪米を計画するだろうが、非常に重要だ。経済関係で実りある議論を交わすことが不可欠だ。
特にTPPは米国にとっても非常に重要になっている。決して容易ではないとは思うが、TPPへの参加意思を
示すことだ。そして訪米後はすぐ訪中すべきだろう。強く安定した日中関係が双方の利益になると示すのが大事だ」
「日本が米国に教えることも大事だ。日本には優秀な経済官僚がいる。米国と多方面で協力しあえるはずだ。
中国など国家資本主義の台頭は大きな脅威。産業スパイの排除や知的財産の保護などに日米で力を合わせるときだ。
米国とカナダはすでに動き出している」
『JIBs』
――リーダーが不在の「Gゼロ」時代に世界が日本に期待することは。
「国際舞台で積極的に動くべきだ。貿易の拡大やエネルギーの確保など将来を先取りしていかなければならない。
同時に日本を理解してもらう努力もいる。安定し、耐性のある社会で、教育も優れている。
また高齢化が進む日本の経験は世界が知りたがっている」
「Gゼロ時代は日本、イスラエル、英国という3ヵ国のグループも生んだ。頭文字から「JIBs」と私は呼んでいるが、
近隣圏の仲間から外れ、国内の政治情勢で効果的な政策をとれない点で共通しており、地政学的に難しい立場に
置かれている。 しかもいずれも米国の同盟国。10年、20年先をにらんだ関係を米国とどう築くかが、
今後いっそう注目されるだろう」
(聞き手は米州総局 編集委員 藤田和明)
イアン・ブレマー氏
米スタンフォード大で博士号。 98年に世界の政治リスクを分析するユーラシア・グループ設立。
近著「『Gゼロ』後の世界」で知られる。 43歳