★外交戦略の再構築 信頼の絆を強めるために(1月6日)
米国のオバマ政権2期目がまもなくスタートする。ロシア、中国、韓国の指導者が相次いで交代し、日本でも安倍晋三政権が本格始動した。
2013年は日本の外交にとって大きな節目の年となる。
貧富の格差拡大など困難な内政問題を抱え閉塞(へいそく)感が強まっている国が増えている。
そのような時、指導者が外交で得点を稼ごうと周辺国に強硬な態度で臨むと、無用なあつれきを招き紛争につながりかねない。
中国の存在感が増すアジア地域。混迷の色が深まる中東。経済危機の出口が見えない欧州。
超大国・米国の国力が徐々に低下していく中、すべての国々が世界秩序の安定化に責任を負わなければならない。
日本もこうした国際情勢を踏まえ、新たな外交戦略が求められている。
民主党政権で悪化した中国、韓国との関係改善やロシアとの北方領土交渉も急がれる。安倍首相の構想力が試される。
*領土問題進展の年に
安倍首相は就任早々、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、平和条約締結に向けて協議を加速化させていくことで一致した。
首相は北方領土問題の解決に向けて「双方受け入れ可能な解決策を見いだすべく努力したい」と述べた。
プーチン氏は「それぞれの外務省に指示を出す必要がある」と応じた。
ロシアは昨年、極東発展省を新設した。資源頼みの経済を改革するため極東・シベリア開発を急ぐ必要があり、日本の協力が欠かせない。
台頭著しい中国をけん制するためにも日ロ関係を進展させたいはずだ。
安倍氏は来月、森喜朗元首相をロシアに派遣する。停滞したままの領土交渉の協議を今年はどこまで進められるかが鍵となる。(
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北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/431750.html