日本全国で猛威を振るっているノロウイルス。猛烈な吐き気と下痢、発熱が特徴的な症状で、
特効薬はないと言われている。その感染力はインフルエンザのおよそ100倍とも言われ、
飛沫(ひまつ)感染するともなれば、この年末年始で外出の多くなる時期、心配は増すばかりだ。
厚生労働省によるとすでに海外でも感染が報告されており、
お正月を海外で過ごそうとする人たちも油断ができない。
その予防法としては、うがい、手洗いなど従来の手法の徹底が大事だが、
実は乳酸菌がノロウイルスの感染予防や発熱時の症状軽減に効果があることが明らかになっている。
研究結果は順天堂大大学院医学研究科プロバイオティクス研究講座を中心とするグループにより昨年発表されたもの。
介護老人保健施設の入所者を2グループに分け、一方がヤクルトで知られる乳酸菌「L.カゼイ・シロタ株」(LcS)入り飲料を10月から飲み、
一方はそれを飲まずに過ごしてもらった。
施設内で12月にノロウイルスが発生したが、飲まなかったグループは発熱日数が2・9日あったのに比べ、
乳酸菌飲料を飲んでいたグループは1・5日と約半分という結果が出たという。
研究グループ責任者の山城雄一郎特任教授は「人の腸には善玉菌と悪玉菌がおり、
善玉菌を増やすことで免疫力が高まる。乳酸菌飲料を飲むことで、この善玉菌が増加、
腸内環境が整い免疫力も高まったことで熱が出にくくなったと考えられる」と説明する。
ノロウイルスで重症化する大きな原因は脱水症状。熱が出ればそれだけ水分が蒸発し、体力を奪われる。
お年寄りや乳幼児にとってはかなりの負担となるだけに、熱が抑えられえることは、それだけ大きな意味がある。
今から飲んでも遅いのでは?と思っている人もいるかもしれないが、「飲み続ければ2週間程度で効果は現れる。
一日でも早く飲み始め、そして飲み続けてほしい」(山城特任教授)そうで、今からでも飲み始めることが自衛につながる。
来年1月中旬には、大学入試のセンター試験もあるため、受験生などにも予防策として是非試してみてほしいところだ。
http://www.daily.co.jp/society/main/2012/12/27/0005629952.shtml http://i.daily.jp/society/main/2012/12/27/Images/b_05630265.jpg