★「網走」など常勤医ゼロ…刑務所の医師不足深刻
刑務所や拘置所の医師不足が深刻化している。
各施設では求人広告を出すなど医師集めに躍起だが、効果はほとんどなく、常勤医の
数は過去最少の水準にまで落ち込んでいる。医師不在のため診察が遅れ、受刑者が死亡
するケースも出ている。法務省は、民間病院などに医師の派遣を要請しているが、引き
受け手は見つからず難航している。
「ほぼ定時に帰宅でき、当直はありません。青年たちの成長にぜひお力を貸してくだ
さい」(川越少年刑務所)
「研究日も週2日間確保できるため、ゆったり働けます」(長崎刑務所)
今年8月に発行された医師向けの求人誌に、民間病院に交じって全国5か所の刑務所
の広告が並んだ。好待遇をアピールしたが、問い合わせはほとんどなかった。広告を
出した網走刑務所(北海道網走市)は2010年4月から常勤医がおらず、担当者は
「地域全体で医師が不足しており、今後も厳しいだろう」と肩を落とす。
法務省によると、刑務所や拘置所などの刑事施設は全国に188か所ある。常勤医の
定員は226人だが、今年4月現在、過去最少の187人(83%)しか確保出来てい
ない。常勤医ゼロの施設は12か所、定員を割る施設も16か所に上る。
(2012年12月27日13時45分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121227-OYT1T00839.htm?from=blist