・「日本は裸の王様だ。尖閣諸島について領土問題は存在しないなどという主張は即刻止めるべきだ!」
これは共産党幹部の発言---ではない。一人の日本人の発言だ。初の民間駐中国大使として鳴り物入りで
赴任した丹羽宇一郎前大使(73歳)がその発言主である。
日本大使館及び大使公邸の南側には、日本料理店がズラリと軒を並べる「ラッキー・ストリート」がある。
その一角に、『大徳酒場』という看板のかかった居酒屋がある。
11月3日午後6時、この『大徳酒場』の地下2階を貸し切りにして、日本人のある「極秘パーティ」が開かれた。
主催者は、在北京日本人記者クラブ。主賓は、丹羽大使だった。参加した北京特派員の一人が語る。
「丹羽大使は月に1~2回、記者懇と呼ばれるオフレコ懇談会を開いていました。これは『発言を報道しない』
という紳士協定のもと、夕刻に大使公邸などに各社の中国支局長らを集めて、夕食を共にしながら大使が内外の
情勢について語るというものです。正直言って丹羽大使のオフ懇で役に立ったことはほとんどないのですが、
2年4ヵ月のあいだ大使を務めたことを慰労しようと、記者クラブで送別会を催したのです。費用は一人300元
(約4000円)で、大使はもちろん招待です」
この日は、約40人の日本人特派員たちが一堂に集まり、丹羽大使を拍手で迎えたという。参加した北京特派員が続ける。
「丹羽大使は、二つあるうちの奥のテーブルの上座に座りました。奥のテーブルが支局長クラス、手前のテーブルが支局員
クラスという席順でした。事前に、プレゼントの要望を確認したところ、『こんなに北京に長居するとは思わず、荷物をすでに
日本に送ってしまったので、冬物の衣類が欲しい』とのことでした。それで11月の幹事社のフジテレビ特派員が、北京の
ユニクロで白のカーディガンと赤のマフラーを買って来て、プレゼントしたのです。『日本の国益を守ってくれたことに感謝して
日の丸をイメージしました』と言ったら、大使はご満悦でした。幹事社のフジテレビは、送別会の模様をビデオに撮る
役目も務めました」(
>>2-10につづく)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34137