安倍自民総裁、トヨタの救世主になるか−発言で円下落、株価急伸 (2)
11月27日(ブルームバーグ):自民党の安倍晋三総裁が、衆院選挙後に首相に就任すれば、
歴史的な円高に苦しんできたトヨタ自動車など日本の自動車メーカーの救世主となるかもしれない。
為替相場は早くも円安方向に動き、それに合わせて自動車株も大幅に上昇している。
安倍氏は27日の講演で物価上昇率をめどではなく目標として、日銀に要望すると発言。
大胆な金融緩和で結果として円高は是正されると述べた。
15日には、衆院選後に政権を奪還すれば、政府・日銀で2−3%のインフレ目標を設定し、
デフレ脱却のためにあらゆる政策を総動員して取り組む考えを示した。
その上で、目標達成には「無制限に緩和をしていくことで初めて市場は反応していく」などと述べた。
1ドル=80円前後で推移していた為替相場は、22日に82.84円と今年4月以来の水準まで円が下落。
27日午後は安倍氏の発言を受けて82円ちょうど前後から一時82.31円まで急落する場面があった。
歴史的な円高で収益が圧迫されていた日本の自動車メーカー各社の株価は急伸。
トヨタ自動車株は15日の安倍氏発言の前日の終値から27日終値までの上昇率が15%となった。
日産自動車の株価も同期間に14%、ホンダは16%急伸した。
みずほ投信投資顧問の岩本誠一郎シニアファンドマネジャーは安倍氏の発言が円相場のトレンドの
ターニングポイントになったとコメント。政権交代は円安誘導には良いタイミングとなるだろうと話した。
来月16日に投開票が実施される衆院選では、自民党が現在各種の世論調査で優位に立っている。
朝日新聞は26日付朝刊で、衆院比例区の投票先について自民が23%と民主の13%を上回ったと報じた。
また27日付の産経新聞は、全国の300選挙区のうち、自民党が少なくとも140選挙区で先行し、
前回の衆院選全体で得た119議席を大幅に上回る見込み、と伝えた。
(つづく)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ME39KJ6JIJUR01.html