野田佳彦首相が14日の党首討論で「16日解散」の表明に踏み切り、民主党内は混乱状態に陥った。
選挙基盤の弱い若手議員は「頭が真っ白だ」「大惨敗になる」と悲壮感を漂わせる。
なお解散の先送りを探る動きも一部にあるが、解散先送り論の急先鋒(せんぽう)だった閣僚経験者の一人は
「もう首相を止められないだろう」と漏らした。
自民党幹部は首相が「16日解散」を明言した理由について「民主党内でクーデターが起き、
首相の座から引きずりおろされるのを心配したのだろう」と分析する。
実際、民主党は衆院での過半数割れが目前に迫り、離党の動きに歯止めがかからない。
首相にとっては、衆院で内閣不信任案が可決され、総辞職に追い込まれかねない危うさがあった。
前原誠司国家戦略担当相のグループ幹部が、首相の解散表明を「野田降ろしの機先を制した」
と説明するように、来週にも離党しようとしていたという若手議員は「頭が真っ白だ」と、ぼうぜんとした表情を見せた。
しかし、「12月16日投開票」の次期衆院選で民主党が勝利する見通しはない。
安住淳幹事長代行は14日、首相官邸で記者団に「引き続き政権運営を担えるように全員の当選を目指して頑張る」
と語ったが、若手議員は肩を落として「大惨敗になる」。
細野豪志政調会長に近い若手議員約10人は国会内に集まると、円陣を組み「絶対、帰ってくるぞ」と声を上げるなど、
悲壮感を漂わせた。解散に危機感を強める鳩山由紀夫元首相のグループが14日夜開いた会合では、
「内閣不信任決議案に同調することで解散を阻止できないか」との意見も飛び出した。(抜粋)
http://mainichi.jp/select/news/20121115k0000m010104000c.html