国交正常化40年となる中国・北京を訪問した日中友好協会会長、
加藤紘一・自民党元幹事長は、日中間にある問題の解決には日本政府が尖閣諸島をめぐる領土問題は存在すると認め、
両国が双方の言い分の違いを国民に対して明確に伝える必要があるという認識を示した。
加藤氏は2日のインタビューで、「これだけ領土の問題で日中がもめているんだから、
領土問題は存在しないというワンパターンで喋っていていいのか」という意見があり、自身も「その通りだと思う」と述べた。
その上で、日本は「とにかく領土問題が存在する」ということを前提に、
「わが国の国民にも双方の言い分の違いを明確にできるメッセージを伝える必要がある」という認識を示した。
野田佳彦首相は尖閣諸島について、歴史的にも国際法上も日本固有の領土で、日本が有効に支配しており、
解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在しないという立場をとっている。
一方、中国外務省の洪磊報道官は9月11日、日本による尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化は違法であり、
「日本側が釣魚島を中国から盗んだという事実を変えることはできない」と述べた。
加藤氏は、1894−95年の日清戦争時の尖閣諸島の扱いから、1978年の日中友好平和条約締結時の
ケ小平副総理と福田赳夫首相の会談内容まで歴史を論評し直した上で、両国が置かれている
「現状とはどういうことなのか」を議論することが解決の糸口になると語った。
加藤氏など日中友好7団体の会長らは9月27日に北京で、共産党序列4位の賈慶林・全国政治協商会議主席や唐家?・元外相と会談。
賈慶林氏らからは、国交回復時に決めた尖閣諸島の領有権問題の据え置きを40年間守ってきたのに、
今それを壊したら政治も経済もばらばらになるという趣旨の発言があったという。
●経済問題への危機感は中国も同じ
一方、日中間の経済問題に対する危機感は中国も同じように認識していると語った。
今後について加藤氏は、中国側出席者が「かなりストレートな口調で、われわれはどうしたらいいんだと言っていた」と述べ、
中国側も事態の打開策を見出せないでいると指摘。(以下略)
Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MBAPK807SXKX01.html