【経済】海運市況が記録的低迷、中国過剰投資のツケ日本勢直撃

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1締まらない二の腕φ ★
海運市況が記録的な低迷を続けている。中国経済の減速による鉄鋼需要の減少と、新造船の供給過剰が原因だ。
中国では鉄鋼大手が生産休止するなど、過剰なインフラ投資の反動が顕在化。鉄鋼需要が早期に回復するとの
見方は少なく、原材料を運ぶ日本の海運業界に大きな打撃が及ぶ恐れがある。

資源や穀物を運ぶばら積み船運賃の値動きを示すバルチック海運指数は9月に平均707と、1986年7月
の572以来、26年ぶりの低水準に落ち込んだ。海運会社がばら積み船を船主から借りる際に支払う1日あたり
の用船料(主要航路平均)は、鉄鉱石や鉄鋼用原料炭を運搬するケープサイズ(積載重量17万トン級)が7000
ドル程度。船を動かすコストとされる2万5000ドルを大きく下回る。「血を出しながら走っている状態で、損失
回避のため船を動かさない係船(運航停止)も増えつつある」と、海運市況情報大手トランプデータサービスの海老
原謙治代表は話す。
バルチック指数の騰落を左右するのは主に、鉄鉱石を運ぶケープサイズと穀物を輸送するパナマックス型(同7万トン級)
の需給動向。現在の市況低迷は中国の鉄鋼需要減速と、中国需要を見越してリーマン・ショック前に大量発注されたばら
積み船の新造船の増加が原因だ。

中国の8月の粗鋼生産量は、前年同月比1.7%減の5870万トンと9カ月ぶりに前年比でマイナスに転じており、前年
比2%のペースで増えていた2010年までとは様変わりした。このため、6月はトン130ドル台だった鉄鉱石のスポット
(当用買い)価格は8月に90ドル台まで下落、足元も100ドル程度にとどまっている。また、リーマン・ショック前に
発注された船舶が続々と完成、2010年末に世界で1164隻だったケープサイズの大型ばら積み船は今年9月に1490
隻まで増加した。

▽ロイター(2012年 10月 1日 16:26 JST)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89003J20121001
>>2以降へ続きます。