【論説】野田佳彦首相の迫力のなさをAKB48のコンサートで改めて感じた 田原総一朗

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1春デブリφ ★
★田原総一朗の政財界「ここだけの話」
野田首相に迫力がないのは李明博大統領の退任後を見ているからか

野田首相の迫力のなさをAKB48のコンサートで改めて感じた

 野田佳彦首相は8月24日夕に臨時記者会見を行い、韓国の李明博(イ・ミョンバク)
大統領による竹島(島根県)への上陸と、香港の活動家らによる尖閣諸島(沖縄県石垣
市)への上陸事件について、「誠に遺憾の極みで看過できない」と批判し、「毅然とし
た態度で冷静沈着に不退転の覚悟で臨む」と決意を示した。
 また竹島について、「戦後、韓国は不法な李承晩(り・しょうばん)ラインを一方的
に設定し、力をもって不法占拠を開始した」と歴史的経緯に踏み込んで述べた。
 記者会見した野田さんは確かに厳しい言葉を使っていたが、しかしどうも迫力が感じ
られなかった。なぜだろう。

 私は翌25日、東京ドームで開かれたAKB48のコンサートに行った。前田敦子さんの卒
業セレモニーの舞台となったコンサートに3日間で約15万人のファンが詰めかけた。彼
女たちのステージに触れ、野田さんの発言の迫力のなさを改めて感じることになった。

 会場を埋め尽くす5万人のファンがAKB48と一体となり、いっしょに歌う。5万人の大
合唱だ。そして会場からの呼びかけに、メンバーが応える。
(続く)
■ソース(日経BP)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120828/321047/
2春デブリφ ★:2012/08/30(木) 10:26:28.97 ID:???0
(>>1の続き)
不自由なしゃべり方をする野田首相が気の毒

 高橋みなみさんのリーダーぶりもすごい。絶叫して会場全体を盛り上げる。メンバー
がそれぞれMCとして自分のプライベートの話をする。プライバシーをオープンにしてく
れると思うからファンは喜び、「この子を自分が育てよう」という気持ちになるのだろ
う。
 彼女たちのおしゃべりには台本がない。途中でとちり、失敗し、中には何を言ってい
るのかわからなくなることもある。そんなときもファンは大きな声援を送って盛り上が
る。

 「AKB48は高校野球だ」と私は感じた。高校野球は内野ゴロでも全力疾走してヘッド
スライディングする。プロ野球でエラーをすればブーイングだが、高校野球はエラーを
すると大声援がわき上がる。AKB48もエラーをすると逆に盛り上がるのだ。

 自由奔放に一生懸命やっているAKB48を見て、野田首相の臨時記者会見を思い出し
た。野田さんはなんと不自由なしゃべり方をするのだろうか。野田さんにはしゃべって
はいけないことがありすぎて不自由極まりない。しゃべりすぎて失言でもしようものな
ら首相の座を失うことにもなりかねない。

 「野田首相は気の毒だ」と思わずにはいられなかった。
(続く)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120828/321047/?ST=business&P=2
3春デブリφ ★:2012/08/30(木) 10:27:19.96 ID:???0
(>>2の続き)
退任後の逮捕を恐れている?

 前回の本コラム「竹島問題をきっかけに外交・安全保障を論議せよ」で、韓国の李大
統領が国内で追いつめられており、人気を回復するために日本に強い嫌がらせをしてい
ることについて書いた。
 この問題をもう一度考えてみたい。

 もし李大統領が今年12月投票の大統領選挙に出馬するのなら、自分の人気を回復する
ための行為と言えるだろう。しかし実際には、彼は大統領選に出るわけではない。いっ
たい李大統領は何をしようとしているのか。
 李大統領が竹島に上陸したり、石碑をつくったり、あるいは天皇陛下の韓国ご訪問に
関して「訪問したいのであれば、(日本の植民地支配からの)独立運動で亡くなった方
々を訪ねて心から謝罪するのならよい」と非礼な発言をするのはなぜか。

 もしかしたら彼は大統領を退いた後の逮捕を免れるためにやっているのではないの
か。
 実兄である李相得(イ・サンドゥク)前国会議員、そして側近である崔時仲(チェ・
シジュン)前放送通信委員長がスキャンダルで今年に逮捕されている。李大統領への包
囲網が狭まっていると考えても不思議ではない。
(続く)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120828/321047/?ST=business&P=3
4春デブリφ ★:2012/08/30(木) 10:28:04.55 ID:???0
(>>3の続き)
韓国の歴代大統領の退任後

 韓国の歴代大統領を改めて見てみると、在任中に失脚・亡命したり暗殺されたり、退
任後に死刑や懲役刑の判決を受けたり自殺したりしているケースが多い。たとえば朴正
煕(パク・チョンヒ、在1963-79)氏は在任中に暗殺された。全斗煥(チョン・ドゥフ
ァン、在1980-88)氏は退任後に死刑判決(後に特赦)。その次の盧泰愚(ノ・テウ、
在1988-93)氏は退任後に懲役刑(後に特赦)。
 金泳三(キム・ヨンサム、在1993-98)氏の後に就任した金大中(キム・デジュン、
在1998-2003)氏は逮捕こそされなかったが、対北送金疑惑があった。南北首脳会談を
実現してノーベル平和賞を受賞した金大中氏だが、北朝鮮を訪問する際に巨額の金を持
って行き、金正日(キム・ジョンイル)総書記に献金したというものだ。その後、それ
に関わったとされる財界人が自殺している。
 そして、前大統領の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏は親族や側近が相次いで逮捕され、自
身は収賄罪容疑で事情聴取された後に自殺している。

 私はかつて岸信介元首相に次の話を聞いたことがある。
 朴正煕氏が1961年に軍事クーデターを起こして国家再建最高会議議長になったあと、
来日して岸さんに会っている。そのとき、岸さんはすでに首相を辞していた
(続く)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120828/321047/?ST=business&P=4
5春デブリφ ★:2012/08/30(木) 10:28:54.69 ID:???0
(>>4の続き)
朴正煕氏が岸信介氏に頼んだ二つのこと

 朴正煕氏は岸さんに二つの頼みごとをした。一つは、スイスの銀行を紹介してほしい
というもの。初代大統領の李承晩氏がそうだったように大統領が失脚すると亡命して身
を守るしかない。亡命するためにはお金が必要で、スイスの銀行にお金を貯めておかな
ければならないと考えたのだ。

 岸さんは「日本では首相を辞めた後に逮捕された例はない。暗殺もない。韓国で大統
領になるのは命がけだ。大変だねえ」と言っていた。

 朴正煕氏のもう一つの頼みごとは、「岸さん、韓国人は誰も信用できない。だから日
本から大臣を3、4人貸してくれ」というものだった。そういうわけにはいかないので、
岸さんの舞台裏を全部引き受けていた矢次一夫氏を紹介した。
 韓国では、大統領になるのに必死の覚悟が必要だ。それに比べ日本の首相で亡命や逮
捕、死を覚悟している人は誰もいない。

 私は何度か韓国へ行き、その度に韓国の野党国会議員と会談している。彼らは次のよ
うに言う。
 「韓国は、大統領が代わるとすべて変わる。それまで普通に議員として活動してきた
者が急に逮捕されるということも起きる。政策も大きく変わり、北朝鮮寄りになったか
と思うと、逆にアンチ北朝鮮になったりする。我々は日本を見習いたい」
(続く)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120828/321047/?ST=business&P=5
6春デブリφ ★:2012/08/30(木) 10:29:51.08 ID:???0
(>>5の続き)
野田首相の言葉に迫力がない理由

 私は李明博大統領と会談したことがある。彼がソウル市長のときだ。その頃、彼はし
きりに「韓国と日本は仲良く手を結んでいかなければならない。そうしなければ日韓の
未来はない」と言っていた。

 その李大統領が今、日本に憎まれることを“懸命に”やろうとしている。それは、身
の危険を感じているからだ。人気取りなどといった甘い問題ではない。必死になって自
分の正当性をアピールしているのだ。

 日本の民主党首脳の中には、李大統領が退任してもし逮捕されるようなことになれ
ば、今の日韓の緊張関係は改善されると考えている人がいるのではないか。口では「不
法占拠である」「毅然とした態度で臨む」あるいは「国際司法裁判所に提訴する」など
と言っているが、それはパフォーマンスであり、本気ではないのではないか。
 それらの発言は実は、李大統領の尻拭いのパフォーマンスであり、その分、発言に真
剣さが感じられないのではないか。

 野田首相に迫力がないのは本気ではないからだろう。野田さん自身も、自分の言葉の
迫力のなさに気づいているはずである。
(本文以上)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120828/321047/?ST=business&P=6
7春デブリφ ★:2012/08/30(木) 10:30:19.19 ID:???0
田原総一朗(たはら・そういちろう)

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリー
ランスのジャーナリストとして独立。1987年から「朝まで生テレビ!」、1989年からス
タートした「サンデープロジェクト」のキャスターを務める。新しいスタイルのテレビ
・ジャーナリズムを作りあげたとして、1998年、ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)
を受賞。また、オピニオン誌「オフレコ!」を責任編集。2002年4月に母校・早稲田大
学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあ
たっている。著作に『なぜ日本は「大東亜戦争」を戦ったのか』(PHP研究所)、『原子
力戦争』(ちくま文庫)、『ドキュメント東京電力』(文春文庫)、『誰もが書かなか
った日本の戦争』(ポプラ社)など多数。近著に「大転換 『BOP』ビジネスの新潮流」
(潮出版社)がある。